形勢逆転 ページ27
＿＿＿＿＿
♪♪
「……。」
ちょっとしたからかいのつもりだったのだが、怒らせてしまったのだろうか。
紫音の手の甲に掌を滑らせ、そのまま手首を掴んで、引っ張っていた吹雪の腕から離された。
触れられている手の甲に少し冷たい感触がするが、いつ見ても吹雪の手は滑らかで綺麗だった。
紫音より大きくはあるけれど、あまり男の子の手らしくはない。
と、手ばかりに目がいっていたので、ふと視線を上げた時は心臓が止まりそうになった。
確かに顔を見せろとは言ったが、こんなに近くで、とは言っていない。
「……近いよ。」
鼻先で美少年が微笑んでいたら、しかも吹雪だったら、いくら紫音でも平常心ではいられなくなる。
絞り出したのは小さくかすかな声だったが、息すらも届いてしまいそうで、それ以上は喋れなかった。
「ふふ、紫音ちゃんが顔見せてって言ったんだよ。目そらしたらダメでしょ？」
さっきとは形勢逆転。
恐らくやり返しだが、上手く吹雪のリードに巻き込まれていることの方が紫音は屈辱だった。
それなのに突き飛ばしたいほど嫌ではなく、寧ろ整った容貌から目が離せなかった。
スっともう片方の手が顔に向かって伸びてくる。
行先は頬か顎か、或いはそれ以外か。
きっとまたひんやりした滑らかな感触がくる。
それに反して、紫音の顔は熱が集まって熱くなる。
しかし届く直前に、紫音はそれを避けて背後に倒れて、ゴンっと床に頭をぶつけた。
「えっ……ごめんね、やりすぎた？大丈夫？」
今度は焦った様子で吹雪が顔を覗き込む。
しかし紫音が横に首を振ると、少し安心したようでまた優しい表情に戻った。
「違う、嫌だったから避けたんじゃなくて。これ以上は私がキャパオーバーでおかしくなりそうっていうか……。」
今のを受け入れたら、もう止まらなくなりそうで、そうしたら明日以降吹雪の顔が見れなくなりそうで、結果雰囲気を壊して逃げてしまった。
付き合ってもいないのに、こんな甘いことをしていいのか。
恋愛が不慣れなことからくる、変なガードと抵抗が発動してしまった。
「なんだ、そうだったんだ。嫌だったのかと思っちゃった。」
本心だろう。
吹雪は眉を下げて苦笑しつつ、紫音の顔の両サイドの床に手をついた。
「え……？」
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ツナ(プロフ) - ルカ☆さん» (続き)台本書きは控えています。一章は名前を入れていましたが納得いかず、今手直しをしているところです。ともあれ、読みづらい思いをさせてしまってすみません。表現を変えたり口調をハッキリさせたりと工夫はしていくつもりです。ご希望に添えなくてごめんなさい。 (2020年11月28日 1時) (
レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - ルカ☆さん» 返信遅れてごめんなさい、ご意見ありがとうございます！台本書きのことでしょうか？これは私事ですが、作品を作り始めた理由の１つに文章の練習という目的があります。台本書きにするとやはり書くのが簡単になってしまい、より一般の小説に近付けるために(続きます) (2020年11月28日 1時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ☆(プロフ) - ツナさんコメント失礼します出来たらでいいんですけどキャラが喋る時の最初にキャラの名前をつけて欲しいんです少しだけ読みづらいので出来たらお願いします。これからも更新頑張ってください良ければ私の作品も見ていただけると嬉しいです (2020年11月13日 7時) (レス) id: 3f28176c24 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - わたぐもさん» 温かいコメントありがとうございます！更新頻度が落ちてしまって本当に本当にすみません...。文章は全然練習中なのですが、褒めていただいて嬉しいです！ (2020年10月18日 16時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
わたぐも(プロフ) - この小説の更新きてるとすっごく嬉しくなります！ツナさんの文章、すきです(*´-`*) (2020年10月18日 0時) (レス) id: 08072a37d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年8月31日 20時
