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____初めて彼女に出会ったのは最終選別。
彼女は私と同じように傷どころか土汚れひとつなく涼しい顔で選別を突破していた。
ただ一つ違ったのは他の参加者達と仲睦まじく話していた事。
その頃は特に他人に興味なんてなかったから他の参加者達なんて気にも留めず、蝶々と戯れていた。
その時から炭治郎と仲良さげに笑い合っていた。
善逸とも親しそうに話していた。
あの玄弥にも笑顔で話し掛けていた。まあ返答されることはなかったけれど。
そして何にも興味を示さない私にも話し掛けてくれた。
「こんにちは。はじめまして。お互い合格出来て良かったですね。」
とても優しい声色だった。それでいて触れてしまったら淡雪のように解けてしまいそうな、儚げな雰囲気だった。
スっと銅貨を取り出すとピンッと弾いた。
表が出たら話す。裏が出たら話さない。
パシッと乾いた音と共に銅貨が私の手の甲に止まった。
表。
「こんにちは。さよなら。」
私の返答に少し驚いた素振りを見せたけれど、直ぐにまた笑顔に戻った。
「コイントス上手なんですね。私はできないから羨ましいです。」
そんなどうでも良い事を笑顔で話していた。
第一印象は「変わった人」。
それ以上でもそれ以下でもない。
これ以上私は何も返答しなかった。
でも彼女は一方的に話し掛けてくるものだから、いつになったら話終えるんだろうと考えた。
考えたって無駄。わからないもの。どうでも良いもの。
「お帰りなさいませ。」
「おめでとうございます。
ご無事で何よりです。」
黒髪の子と白髪の子達が話し始めてようやくその子は話す事を止めた。不思議な子だった。
それから黒髪の子と白髪の子は隊服、階級、鎹鴉について話していった。
しかしそれに不満を持っている人物がひとり。
「どうでもいいんだよ鴉なんて!刀だよ刀!今すぐ刀よこせ!」
玄弥だった。玄弥は怒り狂って白髪の子に掴みかかった。その時。
炭治郎と彼女が彼に飛び掛かった。
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hikari - この作品、めちゃくちゃ面白いです! (2022年4月24日 19時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - もし作ることができれば、『<番外編>』を、作ってほしいです。 できますか? (2022年4月7日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
若菜 - 見ていて、悲しくなって、泣きそうになりました。素晴らしい作品ですね。 (2022年3月13日 15時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - 切ないところもあったけれど、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年3月12日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - コメント失礼いたします。とても切なく、それでもあったかいお話で感動しました。同時に、このお話の夢主目線のお話も見てみたいなと思いました。もしお時間があり、いいなと思っていただけたらそんなお話も作っていただけたら幸いです。 (2020年11月3日 21時) (レス) id: 51a3f09150 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白霞 | 作成日時:2020年5月30日 19時