信じるもの番外編【トラファルガー・ロー】 (ページ3)

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『...まァお察しの通り？』

｢お、そりゃめでたいな。今度はハートの海賊団(俺ら)だけで宴か？｣

『もう宴はゴリゴリだよ...』

Aは麦わらの一味の船に乗ってから彼らのテンションには少し胸焼けしかけていた。

だが、楽しければそれはそれでいい、というのが彼女の考え。

実際に、宴がいい意味で宴に感じなくなってきたことは彼女の小さな悩みだったけれど。

｢お前らのことなんて、俺らはみんな知ってんだぜ。

まァゾウ(ここ)に居れば新世界(この海)の上に居るより安全だろう？あ、ジャックのことは忘れてな？

俺は四皇と戦う前に皆でバカ騒ぎしてェんだよ...｣

『...私はともかく、それはキャプテンに聞いてみないとね』

｢珍しく乗り気だな。麦わら達に諭されたか？｣

『もう、ペンギン。私は私だよ』

これ以上、二人の会話はなかった。

最後の彼女の言葉は会話の相手のペンギンも彼女自身も、分かったようで分かってはいなかった。

変わらぬ涼しい夜風が、二人の周りを包むように吹く。

自分のことを全て知っている人は、きっとこの世界に誰もいない。

自分は自分だ。

これ以上に、無責任で納得させられる自由な言葉は、きっとこの世にはないだろう。