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ゾウでの小話 ページ2

ドレスローザでの一件を経て__

バルトロメオの船に乗り、ドレスローザに残った麦わらの一味とハートの海賊団は無事ゾウに到着した。









もう既に日は沈み、下の方の遠くに聞こえる海の音と巨大なゾウの上に居ても届くことの無い空に浮かぶ月の白い光がこの地を照らす。




ミンク族が暮らすモコモ公国のクジラの森で宴となり、飲んでは食い、飲んでは食い...宴の参加者の殆どは、とうに夢の中だ。






Aは人より酒は強いので、酔い潰れることはなく火の元を消したりなど、最低限の後片付けをしていた。




するとある人物が彼女の元へ歩いてきた。











「さすがはAだな。他のみんなは潰れてるってのに」


「ペンギン。起きたんだ」


「早いうちにダウンしちまったみたいでな。起きたらこのザマだ」












涼しい風の音と心地いい虫の鳴き声が二人の間を抜けていく。

Aは何を話そうか考えていたら、先に口を開いたのは彼の方だった。









「本当、二人とも帰ってきてくれて良かった」



『...ふふ、ペンギンってそんな寂しがり屋だった?』



「そんなんじゃねェよ。
ただ俺は二人が戻ってこないんじゃないかと思ったんだ。

あの時のローさんは...目的を成し遂げるために自分の命をも捨てる覚悟をした目をしてた。そんなヤツについて行くって言うAも...

ハハ、なんか俺みっともねェな...」












乾いた静かな笑いとは裏腹にいつもは見えない彼の目元には月に照らされた涙が浮かんだように見えた。



彼は、旗揚げ前のローもその後の海賊としてのローも知っている古参組の一人。彼なりの心配もあっただろう。



そんな彼にAは彼に対してどんな言葉をかけるのが正解なのか分からなかった。








命は持って帰ってくることが出来た。

が、ローは右腕を一度切断、Aは見た目の変わりはほぼないものの、五体満足ではない。


堂々と胸を張って、無事に帰ってこれたとは彼女の口からはとてもじゃないが言えなかった。それも、自分が自分でそうしてしまったことも。











「...で?ローさんとはくっついたんかよ?」



『ぐっ...それ聞く?』



「ローさんに聞いたとこでマトモな返答なんて返ってくるなんて思っちゃいねェし、Aに聞いた方が本当のこと聞けるだろ」

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作者名:つんてん | 作成日時:2023年2月27日 21時

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