9 ページ9
隊士「これより、十番隊入隊式を始める!」
大きな掛け声で入隊式が始まった。
隊士「今期も首席卒業の者が我が十番隊に入隊した!今期も首席卒業の者から宣誓の言葉を頼む!
新入隊士、十番隊第十五席、雛谷日南子!前へ!」
日南子「はい!」
ザワザワ、と外野がざわめく。
「新入隊士で席官かよ!すっげー!」
「しかも十五席だってよ!」
「素晴らしい新人だな!」
褒める声があがる一方
「なんなの、いきなり十五席なんて」
「新人のくせに席官の命を受けるなんてどうかしてるわ」
「ちょっと生意気じゃねぇか?あいつ」
罵詈雑言も少なくはなかった。
メンタルが強いわけではない私は少しその言葉に心を痛めた。しかしスピーチだ。しっかり気を持たなければ。
日南子「本日は私たち新入隊士のためにこのような華々しい式を開いて頂き、ありがとうございます。
先輩方のご期待に添えるような活躍をするため、修行も怠らず、謙遜の姿勢を崩さず、これからも精進できるように努めさせて頂きます。
私個人としても、このような席官という地位に恥じぬ働きを頑張ります。
新入隊士代表、雛谷日南子」
くるりと後ろを向き礼をする。
パチパチパチと拍手が鳴る中、自分の席へ戻る。
隊士「それでは、隊長副隊長からの祝辞です。
志波隊長、松本副隊長、宜しくお願いします」
しーん。
呼ばれたはずだが、誰も出てくるそぶりがない。
その時。
ドドドドドドドドド!!!!!!
「はいはーい!!新入隊士のみんな!
全隊士の憧れ、松本乱菊副隊長でーす!☆
今日はあなたたちの晴れの日よ。
一生思い出に残る日になるでしょうから、今日は楽しく過ごすのよ!
これが終わったら十番隊舎宴会場にいらっしゃい!
パーッとお祝いするわよ!
そしてこっちが隊長!
ほら!早くしてください志波隊長!」
そういって松本副隊長は志波隊長の耳を思い切り抓った。
「痛い痛い!!痛いって松本!!!!
イデデデ、、、
「おっす!お前ら!
とりあえず入隊おめでとう!
死神になるまでに辛いことがあったやつもなかったやつもまあ色々いるだろう!そんなお前らが今日の主役だ!この後祝賀会もあるから楽しめよな!」
松本「志波隊長!!私とまるかぶりじゃないですか!」
志波「いいじゃねーか!言えば同じだろ!言えば!」
言い合う隊長副隊長に笑いながら一抹の不安をかかえる一同であった。
39人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひまり | 作成日時:2020年4月15日 19時