涙、半分＿2 ページ41
大貴side
慧「あれ、涼ちゃんは？」
大「そこにいんだろ……え？！」
俺が目玉焼きの焼き加減にフライパンへ意識を注ぎ、慧が2階で寝ている侑李を見に行った数分間の出来事。
朝の爽やかなニュース番組が流れるリビングで朝食を待っていた涼介がいなくなった。
大「あいつまさかっ」
慌ててエプロンを外し玄関へ向かう。
………涼介の靴がない！！！
大「探しに行ってくる！」
中「うわっ、びっくりした！大ちゃんおはよう」
大「裕翔！！涼介が勝手に出ていった」
中「えっ！」
こんなにも俺たちが慌てる理由………
それは先日起きた、涼介誘拐事件。
俺と喧嘩した涼介が家を飛び出した直後に男に連れ去られたんだ。
いくつかの目撃証言があり、たどり着いた廃屋に監 禁されていたところを見つけて最悪の事態は免れたが………。
あの日から涼介は………
記憶障害に悩まされるようになってしまった。
大「俺はあっちを探す」
中「見つけたら連絡するね」
裕翔と手分けして涼介を探す。
登下校は慧が車で涼介と裕翔を送り、学校内では裕翔が見ていてくれる話になっているのに……俺が目を離したせいだ。
事件のことは一切覚えていない涼介。
忘れるのはいいんだ……犯人の自供や状況を見れば酷いことをされたのは明白。
鮮明に覚えていれば普通の生活に戻れなかっただろう。
けれど、体感した恐怖を簡単に忘れることはない。
ただすれ違っただけでも知らない大人の男性を見るとパニックを起こすようになってしまって、その後は決まって記憶を失くすんだ。
記憶が飛ぶことを本人はあまり気にしていないようだけど………また何かあったら……と心配で一人では危なくて歩かせられない。
大「もしもしっ！？見つかった？！よかった、ありがとな裕翔……」
やっぱり………今回も涼介は何も覚えていなかった。
家にいても何気ない拍子にパニックは起こる。
今日は何が原因だったんだろう………
大「……ただいま」
「ぅぇえんっ…ひっくぅ…ふぇっ…」
玄関を開けると聞こえてきたのは侑李の泣き声。
慧「おかえり。ありがとうね」
大「また……？」
慧「…うん」
侑李もあの日以来、体調が優れないことが多い。
涼介の姿が見えないと不安定になってしまう。
大「侑李、涼介は裕翔と一緒に学校へ行ったんだ。元気だから大丈夫」
侑「ぅう…りょおすけっ…」
大切な可愛い弟二人をこんな目に遭わせた犯人が憎い。
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Rio(プロフ) - 主様のお話大好きです！9のパスワードを教えて頂きたいです🥲 (2022年9月2日 7時) (
レス) id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - Mizmizingさん» お返事遅くなりましたm(_ _)mご愛読ありがとうございます！現在たくさんの リクエストを頂いているため、順番になってしまいますがよろしいでしょうか…？ (2021年12月5日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
Mizmizing(プロフ) - いつも楽しく読まさせて頂いています。リクエストですが、看病をするしっかり者な一面も見てみたいです！慧が動けなくなる位体調を崩した時に普段の恩返しとして働く家族想いなお話が読みたいです。 (2021年11月30日 11時) (レス) id: c4e35f8ccc (このIDを非表示/違反報告)
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