ふたりなら＿4 ページ36
涼介side
こんなことになるならバレないように部屋に籠っているんだった。
目が覚めたときから胃の辺りがおかしくて。
お水を飲めば治るかな……？
大ちゃんまで同じことになっているなんて思わず、安易な考えで階段を降りた。
………病院なんて来たくなかったのに。
侑李に泣き落とされ、大ちゃんと一緒なら……と、承諾してしまった自分を恨む。
“胃カメラ”なんて聞いてない……！
お口からカメラを入れて胃の中を覗くんでしょ……？
恐ろしくて震えてくる。
良くないことだと分かっていながら足を揺すり、痛いくらい手を擦ってしまう。
………カメラを飲み込むなんて無理だよっ……
苦しいに決まっている。それにもしもカメラが取れて体内に落ちたらどうするの？抜けなくなったらどうするの？
先生に直接問えば“有り得ない”と一蹴されるだろう想像がとまらない。
訳の分からない得たいの知れない恐怖がそうさせるんだ。
涼「けいくんっ……だいちゃ、なんで帰ってこないのっ…？」
慧「行ったばかりだからね、もう少ししたら」
涼「ちがう……かえってこない…だいちゃん……」
閉ざされた扉の向こうで大ちゃんは先生たちに囲まれて無理矢理口を開けられている。
そんなところへ送り込んだ慧くんも止められなかった僕も同罪だ。
涼「……だいちゃん…」
慧「検査しているだけだからね、すぐに戻ってくるよ」
涼「ぅぅん…こわいことしてる…っ……」
慧くんは心配していないみたい。
もしかしたらここにいる慧くんは偽物？
僕たちを悪魔の生け贄にしようとしているんだ。
だいちゃん、お願い。早く帰ってきて。
僕をひとりにしないでよっ………
涼「…ぅぅっ、……だいちゃ………」
慧「そろそろ戻ってくるんじゃないかな」
この時ばかりは慧くんの言葉は信じられないし聞かない。
僕には大ちゃんしか味方がいないんだ。
手を繋ごうとするのも僕が逃げないように拘束するためなんでしょ？
慧「っ、涼ちゃ…」
大「涼介ただいま！」
涼「っ、だいちゃんっ…！」
僕が振り払った手に悲しそうな顔をしていた慧くんなんて見向きもせず。
魔の扉が開いて待ち望んでいた声を聞き一目散に駆け寄った。
大「全然痛くなかったし、苦しくなかったぞ！」
涼「…ほんと……？」
大「おう！すぐ終わったし、涼介も大丈夫だ！」
涼「……っ、…」
大ちゃんが言うなら。
僕も大丈夫……ぼくもだいじょうぶ……ボクモ、ダイジョウブ………
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Rio(プロフ) - 主様のお話大好きです！9のパスワードを教えて頂きたいです🥲 (2022年9月2日 7時) (
レス) id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - Mizmizingさん» お返事遅くなりましたm(_ _)mご愛読ありがとうございます！現在たくさんの リクエストを頂いているため、順番になってしまいますがよろしいでしょうか…？ (2021年12月5日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
Mizmizing(プロフ) - いつも楽しく読まさせて頂いています。リクエストですが、看病をするしっかり者な一面も見てみたいです！慧が動けなくなる位体調を崩した時に普段の恩返しとして働く家族想いなお話が読みたいです。 (2021年11月30日 11時) (レス) id: c4e35f8ccc (このIDを非表示/違反報告)
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