◇ふたりなら＿1 ページ33
慧side
都内某病院の待合室。
涼「……ねぇ、帰ろうよっ」
猫のような声で兄大貴の腕を揺するのは弟の涼介。
ふふっ、珍しいよね。
それに対して大貴は、
大「涼介、もう大丈夫なのか…？」
顔は前を向いたまま目だけを動かしている。
涼「ぅん、全然へーき！いっ……」
大「お、俺も…帰ろうぜ、っぅ…」
ちょっとぉ〜お二人さん？
並んで座っていたベンチから立ち上がったと思えば逆戻り。
逃げ出す気満々みたいだけど無理そうね。
慧「はいはい、2人とも嘘バレバレよ？」
よくないけど、よかったぁ……俺一人で2人を捕まえられる自信はない。
涼「慧くんは僕たちを監視してるの…？」
大「そうだ、慧は帰れよ」
慧「心配だから付き添ってるのに酷いなぁ」
涼「心配してるなら帰してよ」
大「そうだそうだ」
駄々をこねる2人は高校生と中学生なのに、まるで小学校低学年の双子。
帰れるわけないよね。
慧「検査が終わったら帰ろうね」
涼「鬼……」
大「薄情者」
そう言われましても……
2人が怯えながら“家に帰せ”と言っている理由。
それは数時間前に遡る。
＿＿＿
慧「おはよ〜………あれ、大ちゃん？」
目覚めのコーヒーを嗜もうとリビングへ降りて、朝食の準備をしているであろう大貴へ朝の挨拶。
しかし、明かりはついているのにキッチンにいるはずの姿はなく返事もなかった。
朝に限ってはテンションが低い子。
かくれんぼをしているとは思えないけど、罠でも仕掛けられている……？
そっと中を覗く………と、テーブルに突っ伏している大貴がいた。
慧「！大丈夫？ねぇ、どうしちゃったの？」
大「ぁぁ…慧……ぉはょ………」
慧「おはよう、じゃなくて」
大「なんでもねぇよ………つぅっ…」
なんでもなくないでしょ……？
顔色も良くない。胃の辺りを執拗に擦って………
慧「痛いの？」
大「…別に…」
慧「薬は飲んだ？」
大「無かった」
薬を探したってことは………認めたも同然よ？
慧「車出すから病院へ行こう？」
大「いいって、そんな……っ、」
揉めていると涼介が起きてきた。
大貴を説得してもらおうかな……と、思ったんだけど、
慧「涼ちゃん、おはよう。大ちゃんが………」
涼「…ぉはょ……っ、…」
涼介も若干険しい表情で胃の辺りを擦っている。
慧「2人ともって……何か変なもの食べた？」
昨夜のご飯が不味かったのかな？
俺はなんともないけど……侑李はっ…？
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Rio(プロフ) - 主様のお話大好きです！9のパスワードを教えて頂きたいです🥲 (2022年9月2日 7時) (
レス) id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - Mizmizingさん» お返事遅くなりましたm(_ _)mご愛読ありがとうございます！現在たくさんの リクエストを頂いているため、順番になってしまいますがよろしいでしょうか…？ (2021年12月5日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
Mizmizing(プロフ) - いつも楽しく読まさせて頂いています。リクエストですが、看病をするしっかり者な一面も見てみたいです！慧が動けなくなる位体調を崩した時に普段の恩返しとして働く家族想いなお話が読みたいです。 (2021年11月30日 11時) (レス) id: c4e35f8ccc (このIDを非表示/違反報告)
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