可愛い子の旅＿11 ページ32
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中「落ち着いてきたかな」
時間にして十数分。
全身の水分を全て出し切りようやく終わりが見えてきた頃、僕は座位を保つことも難しくなっていた。
涼「っ……はぁ、…っん…」
裕翔はずっと背中を擦ってくれているのに体重まで預けてしまって申し訳ない。
自力で座ろうと身体を起こすも力が抜けて。
皆が支えてくれたことを僕は知らない。
中「そのままお口濯ごうね」
涼「…ん、………ごぼっ…」
中「ああっ、溺れないように気をつけて！」
＿＿＿＿＿＿
慧side
涼介がいないこの三日間。
いつ連絡があってもいいように携帯を片時も離さず、意識を半分以上逸らしながら仕事をしていた。
……鳴らないことが一番。声は聞きたいけど元気に過ごしているということだもんね。
今頃何処にいるかな？楽しんでいるかな？
数分起きに大貴に聞くものだから“知らねぇよ”と言われてしまって……しょぼん。
侑李が“りょおすけ、たのしぃ？”って聞いたらちゃんと答えるのに〜……
このまま平穏無事に帰ってくるであろう涼介。
よかったね〜！と抱きしめる準備は万端にその時を待っていた。
ところが、、、
慧「そろそろかな…？」
駅まで迎えに行くと涼介の姿は無く中島くんもいない。
おかしいなぁ……他の生徒さんたちは帰ってきているのに。
どうしたもんかと繰り返し携帯の液晶画面を眺めていると、人混みの中に凸凹のシルエットを見つけた。
中「あ、やま、お父さんだよ」
涼「……ん…」
……涼介、ぐったりしている…？
慌てて駆け寄り話を聞くと乗り物酔いを起こしてしまったらしい。
中「すみません」
慧「謝られることなんて無いよ。中島くんのお陰で参加できたんだ」
中「悪い思い出になっていないといいんですけど……」
中島くんの一言に涼介の回りを囲んでいたクラスの皆が同じく暗い表情になってしまう。
………迷惑をかけたのに心配までしてくれているんだ……
父親として感謝しかなくて“本当に色々とありがとうございました”と頭を下げた。
すると、それまでぼーっとした様子だった涼介が、
涼「……ゆうと、」
中「ん？」
涼「みんなも、……ありがとう」
ぺこり…お礼を言って頭を下げた。
みんなの表情が和らいでいく。
……こんなの無理っ…感極まって泣きそうだよ……
慧「涼ちゃん、おかえりっ」
涼「ただいま」
慧「修学旅行は楽しかった？」
涼「うん」
＿＿＿＿＿＿＿可愛い子の旅編fin.
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Rio(プロフ) - 主様のお話大好きです！9のパスワードを教えて頂きたいです🥲 (2022年9月2日 7時) (
レス) id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - Mizmizingさん» お返事遅くなりましたm(_ _)mご愛読ありがとうございます！現在たくさんの リクエストを頂いているため、順番になってしまいますがよろしいでしょうか…？ (2021年12月5日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
Mizmizing(プロフ) - いつも楽しく読まさせて頂いています。リクエストですが、看病をするしっかり者な一面も見てみたいです！慧が動けなくなる位体調を崩した時に普段の恩返しとして働く家族想いなお話が読みたいです。 (2021年11月30日 11時) (レス) id: c4e35f8ccc (このIDを非表示/違反報告)
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