可愛い子の旅＿7 ページ28
涼介side
………会いたくなる。
さらりとして熱い湯を肌で感じ身も心も温まってぼーっと脳裏に浮かんできたのは慧くんと大ちゃんと侑李だった。
初めての修学旅行はずっと側に裕翔がいてくれて、先生も同級生の皆もすごく優しい。
こんなに楽しく過ごせているのにね……ふいに寂しくなっちゃった。
涼「……はぁぁ、あつぃ…」
中「そろそろ上がろう」
涼「………ぁ…ゅぅとぉ……のぼせた……」
中「えっ！！」
……ごめんね。
へろへろになった俺を脱衣所まで抱えていってくれる裕翔には誰よりも感謝してるんだよ。
でも………動き回る裕翔を尻目に俺は“明日には家に帰れるんだ”って考えてる。
中「ご飯食べれそう？」
涼「んー…ほしくないけど、いく…」
逆上せたからか食欲は湧かない。
けど、大ちゃんのちょっとしょっぱい玉子焼きなら食べたい………それから侑李に抱きついて眠って………って、ダメだね僕は…もうその事しか考えられないや。
さっきまで皆と楽しく過ごしていたのに。
中「体調悪いなら部屋に戻った方が…」
涼「…ここにいる」
何も食べない僕がいても迷惑だろうけど、一人では寂しくていられない。
帰りたい。帰れない。あと少し。
明日には慧くんが迎えにきてくれる。
完全にホームシックに陥り、胸がきゅーっと苦しくて泣きそうだった。
先生に呼ばれて椅子から立ち上がり歩いていくとそれだけで不安になり身体を縮めたくなる。
「はい、これが山田の」
そんな僕に先生から手渡されたのは真っ白な封筒。
涼「…これ、なんですか……？」
「お父さんからだよ」
涼「ぇっ…」
慧くんから……？
修学旅行最後の夜に配られたのは家族からの手紙。
よく見れば皆の手にも封筒があるし渡される前に説明されていたのだが、打ち拉がれていた僕に周りが見えているわけもなくて。
中「やま、おいで。椅子に座って読もう」
涼「ゆーと…これっ」
両手で持って裕翔に見せる。
すると“良かったね”と微笑んで席まで連れていってくれた。
涼「開けていいの…？」
中「うん」
所々から鼻を啜る音がしている中、一応裕翔に確認してから手紙を開く。
慧くんの字……
“涼ちゃんへ”って書いてあるっ…
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Rio(プロフ) - 主様のお話大好きです！9のパスワードを教えて頂きたいです🥲 (2022年9月2日 7時) (
レス) id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - Mizmizingさん» お返事遅くなりましたm(_ _)mご愛読ありがとうございます！現在たくさんの リクエストを頂いているため、順番になってしまいますがよろしいでしょうか…？ (2021年12月5日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
Mizmizing(プロフ) - いつも楽しく読まさせて頂いています。リクエストですが、看病をするしっかり者な一面も見てみたいです！慧が動けなくなる位体調を崩した時に普段の恩返しとして働く家族想いなお話が読みたいです。 (2021年11月30日 11時) (レス) id: c4e35f8ccc (このIDを非表示/違反報告)
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