兄vs弟＿5 ページ19
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涼「これは……」
大「それは向こうの棚」
涼「わかってるっ」
家に帰ると僕の犠牲になった大ちゃんに代わり動き回った。
………怪我が治るまでは責任を取って、僕が大ちゃんにならないとだもん……
けれど、一つ一つの動作が遅い僕は時間に追われる。
このままじゃ、あっという間に夕方になってしまう。
大「…うぉっ、と…と…」
涼「動かないでってっ！」
焦れったいのか、大ちゃんは僕の言うことを聞いてくれない。
立ち上がるだけでふらついているのにご飯を作るとか言うんだ。
涼「っ……作るから、待ってて」
大「危ないから俺がやる」
涼「ううん、やる」
大「いいって……っぁた……」
…まだ痛いんでしょ…？無理しないでよ………
冷やすもの持ってきてあげよう。
涼「動かないでね…………ぅぁ…っ……！」
………どうしてこうも上手くいかないの？
疲れが出始めてもたつき、洗濯物に足を取られて転んだ。
涼「……っ………」
鈍臭い…せっかく畳んだものはやり直しだし、受け身が上手く取れず手首をおかしくしてしまった。
涼「………もぅっ…！！！」
大「っ、涼介……？」
精一杯やっているのに全てが裏目。
頭の中では完璧なのに、身体がついてきてくれないのはどうすればいいのっ……？
涼「………うぅっ……」
自分へ苛立ち叫んだ次には情けなさで泣きたくなる。
涼「ごめんなさい」
大「ん…？」
涼「僕が一人で落ちたらよかったんだ」
大ちゃんは狭い階段で後ろにいたから避けたくても避けられなかった。巻き込まれただけの大ちゃんが怪我をして僕が無傷なのはおかしい。
僕が怪我をしたところで元々役に立つ存在じゃないから支障もなかったのに。
涼「………ばか、っ…！！」
捻った方の手で太股をばんばんっ…と、力加減せずに叩く。
こんなの痛くない……大ちゃんの方が痛い。
足が使えなくたって、手が使えなくたって、僕ならよかったんだ。
大「涼介、やめろっ」
涼「離してっ、！僕には痛みが足りないのっ」
大「ぅ゛っ…」
涼「ぁっ…」
興奮状態の僕は止められた手を振り払ってしまい、バランスを崩した大ちゃんは倒れそうになる。
大「ははっ…ばか。力、つぇーよ」
涼「っ、っ……ごめんなさいっ…」
……また、笑って………怒らないの…？全部、僕のせいなのに………
その優しさが胸に突き刺さり、じんじんと熱を持った手首や太股より数倍痛む。
涼「……ごめんなさい…ごめんなさい……」
……この役立たず。
せめて壊れるまで動いてよ、僕の身体。
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Rio(プロフ) - 主様のお話大好きです！9のパスワードを教えて頂きたいです🥲 (2022年9月2日 7時) (
レス) id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - Mizmizingさん» お返事遅くなりましたm(_ _)mご愛読ありがとうございます！現在たくさんの リクエストを頂いているため、順番になってしまいますがよろしいでしょうか…？ (2021年12月5日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
Mizmizing(プロフ) - いつも楽しく読まさせて頂いています。リクエストですが、看病をするしっかり者な一面も見てみたいです！慧が動けなくなる位体調を崩した時に普段の恩返しとして働く家族想いなお話が読みたいです。 (2021年11月30日 11時) (レス) id: c4e35f8ccc (このIDを非表示/違反報告)
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