兄vs弟＿2 ページ16
＿＿＿
薮「異常はないみたいだな」
大「そうっすか…」
頭にぐるぐる巻きにされた包帯。
診察室には俺と先生だけ。
あの時、涼介は貧血を起こしたらしいけど、俺の咄嗟の判断は間違っていなかったようで、怪我もなく無事だった。
が、……階段から落ちた後が大変だったんだ。
俺は頭を打ちまともに起き上がったり喋ることが出来なくて、しかも打った拍子に切ったらしく出血もしていた。
それを見た涼介は…パニック気味になってしまって……
このままじゃ二人とも不味い………と思い、「…りょ、すけ……でん、わ……」と、救急車を呼ぶことに。
対応は涼介。
ちゃんと伝えられたのかは分からないけど、無事に病院に着けたからなんとかなったってこと。
薮「変だと思ったらすぐに連絡すること」
大「はい。」
座っているだけでぐらぐらする……けど、涼介が怪我をせずに済んだんだと思えば、これくらい気合いで耐えてやる。
薮「涼介が泣いてたから行ってあげな」
え、マジかよ………
大「っ、…ぅ」
薮「大貴、走らない！」
それ………学校の担任によく言われる言葉だ。しかし、薮先生の言葉は重みが違う。
今の俺はゆっくり歩いてやっと真っ直ぐに進める状態。
早く涼介を安心させてやりたいが………入院なんてことにならないよう、せめて先生の前だけでもおとなしくしておこう…………
＿＿＿
大「涼介」
涼「っ、……だいちゃんっ…！」
待ち合い室のベンチで看護師さんに付き添われてめそめそしていた涼介。
……俺の頭の包帯を見て一瞬明るくなった表情を曇らせるなよ。こんなの大袈裟に巻いてるだけだから。
「お兄ちゃん来てよかったね、涙拭こうか」
涼「…るさぃ、、、けいと、いらない…」
馴染みの看護師さんだからって素っ気ない態度。
手に握られたティッシュの束で、俺が来るまでどれだけ慰めてもらっていたか丸分かりなのに。
大「あ、一人が寂しくて泣いてたんだろ！涼介は子供だなぁ」
涼「…………だいちゃん、大丈夫なの……？」
大「おう、この通りな！帰ったら掃除の続き残ってるし」
わざと揶揄するように言っても乗ってこない涼介に“帰ろうぜ”と手を差し出してみたら、素直に手を重ねてきた。
けど、これは間違いだったな。
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Rio(プロフ) - 主様のお話大好きです！9のパスワードを教えて頂きたいです🥲 (2022年9月2日 7時) (
レス) id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - Mizmizingさん» お返事遅くなりましたm(_ _)mご愛読ありがとうございます！現在たくさんの リクエストを頂いているため、順番になってしまいますがよろしいでしょうか…？ (2021年12月5日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
Mizmizing(プロフ) - いつも楽しく読まさせて頂いています。リクエストですが、看病をするしっかり者な一面も見てみたいです！慧が動けなくなる位体調を崩した時に普段の恩返しとして働く家族想いなお話が読みたいです。 (2021年11月30日 11時) (レス) id: c4e35f8ccc (このIDを非表示/違反報告)
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