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“家に弁当忘れた。届け来い”
“買って食べなよ”
“Aの作ったの以外は受付ねぇ”
“…会社行く前に持ってくから待ってて”
これは、ある日のメッセージのやり取り。
ふとキッチンのテーブルの上を見れば春ちゃん用に作ったお弁当がぽつりと置かれている。
補足だが、たまに春ちゃんのためにお弁当を作っている。
お願いされた時だけだけどね。
結局春ちゃんのわがままに付き合うことになった私はお弁当を届けに行く羽目になった。
別にいいんだけど、あそこちょっと怖いんだよね。
人殺されるからお化け出そうじゃん。
『はぁ、行くか…』
とは言え色々文句を言っても春ちゃんにああやって言われたからには届けに行かないと後々うるさい。
仕方なく春ちゃんの分のお弁当を持ち家を出た。
・
・
「あれ、Aチャンじゃん♡」
『あ、蘭ちゃん』
「なに?襲われにきた?」
『ううん違う』
春ちゃんのいる会社につけば出入り口のところにちょうど蘭ちゃんが居た。
適当に返事をすれば蘭ちゃんは“あっさりしてんな〜”と笑う。
『あ、春ちゃんにこれ渡しといてくれない?』
「なに?俺が食っていいやつ?」
『話聞いてた?』
「俺もAチャンの弁当食いてぇワ」
せっかく蘭ちゃんに会ったんだしお弁当を渡しといてもらおう、と思ってそうお願いすれば意味のわからないことを言い出す。
うん、頭大丈夫かな。
呆れたように笑えば、ぎゅうっと頬をつねられた。
『痛いよ蘭ちゃん?!』
「ンな顔するAがわりぃの♡」
『うぅ…』
「おいお前ら何してんだ」
『…ココくんっ!』
涙目で蘭ちゃんを睨んでいれば、面白そうに笑う蘭ちゃん。
そんな私たちの様子を見ていたのか、後ろからココくんの声がした。
一瞬手の力が緩んだのを狙って蘭ちゃんから離れココくんに駆け足で駆け寄る。
「何しにきたんだよ、危ねぇじゃねぇか」
『春ちゃんがお弁当届けろって言うから…』
「ったく、あいつは…」
『春ちゃんどこにいる?』
「知らね」
『え』
蘭ちゃんに頼るのは諦めて仕方なく自分で届けようと思いココくんにそう聞いてみれば何故か雑な回答。
最初は意地悪してるだけかと思ったが、どうやら本当に春ちゃんの居場所を知らないみたいだ。
どうやらどこかに出かけたようで。
どうしようか迷っている私を見てココくんは“帰るまで待ってれば?”と言った。
あはは、会社遅刻です。
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蘭奈莉逢瑠悲@カナリア:ルカ(プロフ) - 春ちゃんさいっこうじゃないですかあああ!!作者様天才すぎる!!! (11月27日 23時) (レス) @page39 id: 4d14879615 (このIDを非表示/違反報告)
一尺八寸一犀 - 春ちゃん〜…あ〜もうすっごい好きです///愛してるってなんですか!?愛してるって!!え、カッコ良過ぎるんだけど!?竜ちゃん蘭ちゃんも素敵でした……///もうずっと読んでいたい╰(*´︶`*)╯♡ (9月4日 23時) (レス) @page39 id: 605bcc3c89 (このIDを非表示/違反報告)
NA - 春ちゃーーーーーん素敵すぎます!最後の''愛してる"カッコイイ☆夢主ちゃんもお幸せに♡ (2023年3月21日 10時) (レス) @page39 id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - オールして読みました、ガチ尊い。叫びたいけど時間的に無理だ🥲🥲🥲🥲 (2022年12月25日 5時) (レス) @page39 id: 3e85deed6b (このIDを非表示/違反報告)
やほやほ〜 - 蘭ちゃん=優男 竜胆=ツンデレ神 春千夜=すれ違い彼氏でいい? (2022年9月3日 17時) (レス) @page27 id: 89b4ed43fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みや | 作成日時:2021年11月16日 19時