東京卍會の姉貴

姉で仲間で女2 ページ18

部屋がシーンと一瞬静まる。

しかし再び笑い声が響いたことで沈黙はかき消された。



佐｢恥ずいって今更？あーんは平気なのに採寸は恥ずかしいの？｣

三｢お前の泣き顔知ってんだぞ俺ら｣

『そっちのがよっぽど恥ずかしいだろってか？並べよ殴ってやっから』

ソ｢また怪我するよやめときなよ｣



こいつらは本当に、乙女心というか何もかも分かってねえな。

それとこれとは話が別だろうが。



『チッ、何か恥ずかしがってんの馬鹿らしくなってきたわ。上Tシャツでいい？』

三｢よし良い子だ。肩幅から測ってくな｣

『はいよ』



着ていたカーディガンを脱ぎ捨てて姿勢良く座る。

どこから取り出したのかメジャーをさっと引っ張って私の肩にあてた。

慣れているのが伝わってくる手際の良さ。

私こいつに女子力負けてんじゃないの。



三｢…わり、ちょっと測り直すな｣

『ん、なんかミス？』

三｢いや…うん、大丈夫だ｣



次は胸囲。

細かく見る必要はないからと大まかに測ってくれる。

だがこれもやり直しをしていた。

メジャーの調子悪いの？



三｢…次、ウエストだから立って｣

『はーい』

三｢…ごめんもっかい｣

『何回測り直すんだテメェ』



そんなに私のサイズ知りたい？

私のスタイルなんか平均なのに面白くないでしょ。

やべ、泣きたくなってきた。



三｢…Aって少食？｣



メジャーをしまいながら隆が聞く。



『何急に。少食なんて私から最もレベルに縁遠い言葉だけど』

三｢ダイエット中とか｣

『してねーって何』



どんだけ私が食べると思ってんの。

花垣家の食費圧迫してんのほぼ私だぞ。



三｢…胸囲とウエスト、いくら女子とはいえこんなもんか？｣

ナ｢ふーん、割とデケェんだな｣

ソ｢ちょっスマイリー！｣

『シバくぞクソアフロ』



平均だけど、確かに胸囲はある方かもしれない。

けど言うほどでもないでしょ。

そんなに驚くことかな。



『…お前の泣き顔知ってんだぞ俺ら』

三｢…ヤメロ｣

『ははっ、思春期かよ』

三｢ヤメロっての俺が悪かった｣

佐｢何なんの話？何で照れてんの三ツ谷｣



割り込んでくるマイキーに顔を見せまいとする隆。

女子の胸のサイズ測って照れるなんてまだまだ中学生らしいとこあるじゃん。



『ただの姉貴だと思ってた？私も一応｢オンナ｣なんだよね』

三｢悪かったって…勘弁してくれ…｣

『おもしろ』



その後しばらく私にからかわれる隆がいるのは言うまでもない。

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