東京卍會の姉貴

ヒナ▽ ページ40

『はあ？』

日｢だ、だから何もないって…｣

『いやいや嘘でしょ？何もって…手は？』



まさかまだ繋いでないとか言わないよね？と言うと手は繋いだけど、とヒナが言う。

これは絶対嘘だな。

ヒナは間違いなく隠してる。



『…いちごクレープ美味しかった？』

日｢……ち、ちゅー…した｣

『素直でよろしい』



よしよしと真っ赤になるヒナの頭を撫でた。

必殺、それ私の奢り。

とはいえ、少し予想以上の返事が返ってきて内心驚いてる。

まさかもうキスまでいってるなんて。

悪いことしちゃったな。



日｢もう何この羞恥…！｣

『ごめんね、そこまでいってるって思わなくて』

日｢もおお！｣

『ごめんってば、クレープもう一個いる？』

日｢いらないよ！もう、Aちゃんの恋バナしてくれなきゃ許さない！｣



プンプン怒りながらそう言うヒナはちゃっかりしてる。

あのエマにしてこのヒナあり。

友達って似るもんなのね。



日｢Aちゃん今好きな人いないの？｣

『残念だけどいないんだよね。嘘じゃないよ』

日｢んん…あ、ねえ、千堂くんは？｣

『敦？』



急に何、とヒナに聞くと目をキラキラさせながら何となく！と言った。

何となくで急に敦が出てくる？



『敦かあ〜…』

日｢呼び捨てだしあの五人組の中なら仲良いじゃん！どうなの？｣

『食いつきすぎ！…敦は武道と同い年だしなあ。そういう目で見たことない…ってか見れない気がする』



真面目に答えるとヒナはガッカリしたような気まずいような顔をした。

そんな残念かな。



日｢(千堂くんごめん…！)｣

『面白くなくてごめんね。昔付き合ってた人の話でもする？』

日｢あっ聞きたい｣



でもいいの？と遠慮がちに聞く。

いい思い出のやつじゃないけど、笑い話として伝えたいことだ。

さらに教訓としても。



『いいよ。中三の時かな？年下の子にね、告られたんだ』

日｢へえ｣

『進級したてで浮かれてて即オッケーしたの。そしたらそいつがまたゴミでさ』

日｢そ、そうなの…｣

『いいヒナ？武道と別れてほしくないけど、もし別れて新しい男と付き合うなら注意してほしい』



金を返さねえ男と友達がやめとけって言う男はやめとけ。

真剣な顔で言うとヒナは吹き出した。



日｢真面目な話なのは分かってるんだけど、真剣すぎて｣

『ふは、いいよ別に。私だって笑ってくれた方が嬉しい。でもマジ話だからね？』




ヒナと武道はずっとうまくいくといいな。

三途※ﾈﾀﾊﾞﾚ→←ヒナ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す