327 和葉 ページ27
〜sideなし〜
これは平次が和葉を好きだと認識するずっと前の話し
童心に返る駄菓子屋で和葉は友達とお菓子を選んでいた
何を買うか楽しく選んでいると、和葉の背後の棚が崩れた
その場にいた誰もが何が起きたのか分からない
大きな音に店主は奥から出てきた
店主は何も聞かないまま棚の近くにいた和葉を犯人と決めつける
店主「今謝れば許してやる」
和葉「アタシ何もしてへんわ!」
友達「せやせや。決めつけんといて」
店主「なら何で棚が壊れてるんだ?」
和葉「そんなん知らんわ。建付けが悪かったんとちゃうん」
店主「いいか嬢ちゃん。悪いことをしたら、まず謝るのが常識じゃねぇのか」
和葉「なんべん言わすねん。アタシちゃう言うてるやろ」
駄菓子屋に防犯カメラがあるわけがなく、どちらも自分の意見を主張し合う
優勢なのは店主のほうである
和葉がいくら壊してないと言っても、現に棚は壊れ商品は全て床に落ちて売り物にならない
このまま謝るつもりがなければ、落ちた商品は買い取ってもらうと脅す
こんなとき平次がいたらサクッと無実を晴らしてくれる
「その子じゃないと思いますよ」
大学の友人数人と大阪のUSJに遊びに来ていたAは、駄菓子屋に心惹かれ立ち寄った
そこで遭遇した事件……と呼ぶには規模が小さいが困ってる女の子がいて、状況をよく観察して口を挟んだ
「この子が棚を壊すには身長が足りないんです」
全ての棚は段によって高さが決まっている
同じ段の棚の横に和葉を立たせると、ギリギリ体が当たらない
これでは和葉が棚を壊すのは不可能である
「そこのお兄さんは背の高さが丁度良いですね」
知らん顔でこちらを見ようとしない、スポーツバッグを肩にかけた男子高校生
やましいことがあるのか、視線が泳ぎまくる
顔色も悪い
こんなにも自分が犯人ですと自白するような態度も珍しい
高校生「ご、ごめんなさい!悪気はなかったんです」
通路を歩いていたとき、たまたま肩が勢いよく触れてしまい壊れてしまった
スポーツをしている彼はガタイも良く、ちょっと古い棚なら簡単に壊れてしまう
店主は奥にいて、和葉達も背を向けていた
バレる前に場所を移動すると、案の定、店主は和葉が犯人だと疑ってくれた
それなら自分が名乗り出なくてもいいと、何とも卑怯なことを思った
わざとじゃないとはいえ、学校に連絡がいくかもという恐怖が沈黙を選ばせた
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まゆ(プロフ) - コメントありがとうございます!ネタが思いついたときにしか更新してないので、時間かかってしまいますが、こうして待ってくれてる読者様がいてくれると頑張れます!! (7月23日 22時) (レス) id: c462f277ab (このIDを非表示/違反報告)
礼 - めっちゃ面白かったです。続きが楽しみで仕方ありません。余力がある時に続きを書いていってくださると読者としてとても嬉しく思います。頑張って下さい。 (7月23日 22時) (レス) @page30 id: 3d2eda965f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2022年12月28日 0時