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〜リリック〜
これは単なる好奇心だ
真実を知っても知らなくても影響なんてない
若い頃に何となく自己流で学んだ催眠術がこんな形で役に立つとは
手当り次第、興味の湧いた物に手を出して正解だった
お嬢さんはこの間、21際になったんだったな
17年前というと……4歳
お嬢さんの話しはとても分かりやすく、誰かが何かしなくても、お嬢さん自身が記憶を奥底に封じ込めたのだと想像がつく
お嬢さんにとって父親である雄司のことは嫌っていなくてはならない
苦しい世界で生きているんだな
17年前の真実はある程度、予想通り
リリック｢あぁ、そうか。それが君の“真実”なんだね。すまなかったね。辛いことを思い出させて｣
これ以上は目を覚ましたお嬢さんに悪影響を与えかねない
｢ありがとう｣
リリック｢え……？お嬢さん。今何と……？｣
術を解こうとした矢先、お嬢さんは確かにそう言った
ありがとう？
私が習ったことに間違いがなければ、その言葉は感謝を述べるときに使う
“その状況”で礼が必要になるのは……
どうやらお嬢さんの記憶は開けてはならないパンドラの箱のようだ
リリック｢もういいんだよお嬢さん。何も思い出さなくて｣
視界を覆って、術を解いた
好奇心は身を滅ぼすとはよく言ったものだ
雄司はどこまで知っている？
途中までしか知らない可能性が高い
拓真｢こんなとこにいたんですか。あまり勝手に出歩かないで下さい｣
リリック｢それは私の自由だろ｣
昔と比べると今の忠狼は分かりやすい
単に昔は、人間が大嫌いで、見知らぬ人間には殺気を振り撒いていた躾のなっていない孤高の狼だったのに今では色んな感情を手にした
不機嫌なのは私がいなくなったからではなく、お嬢さんと2人でいるから
まだ意識が戻らないお嬢さんを抱き上げる忠狼の姿は、完全なる従僕
リリック｢17年前。お前は人を殺したのか｣
本来なら、こういう決めつける言い方は許されないだろうし、もっとオブラートに包んだ面倒な言い回しをすべきたが、忠狼相手に取り繕う必要はない
私が17年前のいつの日のことを聞いたのか、すぐに分かったらしく不機嫌は動揺へと変わった
殺しを疑われたことではなく、お嬢さんが記憶を思い出したのでは、という不安
拓真｢さぁ。どうでしょうね｣
いつも通りを取り戻した忠狼は笑顔で答えた
リリック｢はぁーー。全く。どうして日本人は秘密主義者が多いんだ｣
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まゆ(プロフ) - コメントありがとうございます！ネタが思いついたときにしか更新してないので、時間かかってしまいますが、こうして待ってくれてる読者様がいてくれると頑張れます！！ (7月23日 22時) (
レス) id: c462f277ab (このIDを非表示/違反報告)
礼 - めっちゃ面白かったです。続きが楽しみで仕方ありません。余力がある時に続きを書いていってくださると読者としてとても嬉しく思います。頑張って下さい。 (7月23日 22時) (レス) @page30 id: 3d2eda965f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆ
| 作成日時：2022年12月28日 0時
