氷が三十九粒 ページ47
ﾙﾃﾞ「それをあんな悪びれもなく王様などと呼んで…先が思いやられるわ」
『…申し訳ございません』
ﾙﾃﾞ「オマケにあの変な喋り方。
それに、スフィオン家の息子ともあろう人がオーバーブロット寸前じゃないか」
『…っえ？オーバー、ブロット…？』
ﾙﾉ「はぁ？気付いてなかったわけ？
んもうっ、鈍くさいなぁ！さっさとどうにかしてよ、その気味悪い腕！」
腕、と言われて後ろで組んでいた手をほどく。
言われてみると、右腕が若干オーバーブロットしたときのような衣装に変わりつつあった。
魔力、使いすぎたか…。
慌てて叩いたり殴ったりしてみるが、腕は一向に元に戻ろうとしない。
え、なんで、なんで戻らないの、！？
耐えかねてルノー様が声を荒げる。
ﾙﾉ「えっ…お前、まさかオバブロの収束も出来なくなったの…？」
『お待ち下さい、すぐに！！』
ﾙﾉ「…わかってると思うけど、それ出来なくなったらほんと絶縁だからね？」
『承知済みでございます、ですから、どうか、どうかっ！！！』
ﾙﾃﾞ「…暑苦しい。もういい、行くぞルノー」
ﾙﾉ「え？兄様、もう行くの！？」
ﾙﾃﾞ「もういいだろ。それ以上構っても時間の無駄だ」
『ッ…お待ち、下さい…！！』
鼻がツンとして、目の前がぼやける。
待って…待ってよ…オーバーブロットを止められなくなったボクにもう用はないってこと…？？
いやだ…捨てないで…何でもするから…頑張ってお兄様方のお役に立てるようにするからぁ…！！
捨てないで、捨てないで…！！！
切実な思いで懇願する。
すると、何を思ったか背を向けて歩き出したルディ様が足を止めた。
そのまま振り返ってボクのもとへ歩み寄り、顔を近づけた。
そのまま目を合わせられる。
ﾙﾃﾞ「…お前、泣いてるのか？」
『…い、え』
ﾙﾃﾞ「ならいいが。…A」
『はい…っ』
ﾙﾃﾞ「ウィンターホリデー、楽しみにしてるからな」
にっこりと笑顔でそう告げられる。
…こう言われたら帰るしかない、か。
ボクは素直に頷いた。
それをみて満足そうにルディ様も頷く。
ﾙﾃﾞ「よし。それじゃ、今度こそ帰るからな」
ﾙﾉ「じゃーね、欠陥品！」
ひらっと手を振られた拍子にパンが投げつけられる。
今日は硝子製品じゃなくてよかった…そして捨てられなくてよかった。
…あぁ、そうだ。この腕どうにかしなきゃ。
ボクはお二人が消えていった方向をぼーっと見つめ、一心不乱に腕を傷つけ始めた。
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ユアさん - なんでやろ…マホたそに見える (7月28日 19時) (
レス) @page6 id: ae68d762ff (このIDを非表示/違反報告)
ぶぃ、さいん(プロフ) - かふかすかるさん» 夢主くんの喋り方は完全にマホロアにしてるからですね…！！() コメントありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: fee00d9c4b (このIDを非表示/違反報告)
かふかすかる(プロフ) - なんかすごいマホロア感感じました！ (2021年9月11日 1時) (レス) id: 2497b8742f (このIDを非表示/違反報告)
ぶぃ、さいん(プロフ) - 雨の夜さん» 優男とか通り越してもはや出来る男のクル先← スフィオン家に不幸が襲うまであと5…4…() (2021年5月10日 20時) (レス) id: ecdadf7d60 (このIDを非表示/違反報告)
雨の夜 - 何かを察した出来る男クル先← 真面目にスフィンオス家だけはバットエンドになって欲しい(真顔) (2021年5月10日 18時) (レス) id: 1e59db50fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぶぃ、さいん | 作成日時：2021年4月4日 15時
