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彼の後姿に違和感は感じた。
だが動き出す余裕が私には残っていなかった。
先程まで衝撃と轟音と突風の三重奏の中にいたせいで
強いはずなのに比較的可愛いと錯覚してしまいそうなドンッという
地面が奏でた勢いのよい衝撃がかすかに響いた。
次の瞬間には彼は靄の敵の方に急接近し、拳を構えていた。
私の視界に本来なら納まっているはずの敵が全部認識できないのは
虫食われた部分に手を付けた方の敵が納まってしまっているからだろうか。
なんであぁも危ないことばかりしでかすの、あの人は。
どうしよう、どうしよう、どうしよう……！
目に見えている限りで辿って考えれば
彼が飛び出し狙ったのは靄の敵の…爆豪さんが発見した靄に出来ない胴体部分
…じゃあ緑谷くんに危害を加えるとしたら手を付けた方。
なら、また緑谷くんを後退させるべき？
でも、緑谷くんに反応を示さずオールマイトの方へ攻撃に出たら？
緑谷くんが、あの状況や人をよく見ている彼が出ていったということは
オールマイトをよく見ている彼が飛び出していく理由がそこにあるのだろう。
…現に動き出した敵を見つめ、一歩たりとも動く気配がない。
く、っそ。今見えていれば瞬時に何をすべきかわかるのに。
誰かに尋ねて対策を講じて、それをまたどこに向ければいいか方角を問い、実行。
そんな時間はない、１秒、0.1秒ごとに事態は変動してる。
…だめだ、間に合わないッ。
別の意味で視界が真っ暗になってしまいそうだった。
そこで響き渡るのは「銃声」
決して軽くないその音は膜を張ったように聞こえなかった耳に轟いた。
人を殺せるその物体が、この緊迫した環境にあること
見えない視界でどこに向けられたのか分からずヒュッと、息が詰まり血の気が引いた。
でも、杞憂だ。
撃ち抜かれたのは緑谷くんでもなく
鮮血を舞わせたのは虫食っていた箇所から飛び出た手を付けた方の敵だった。
緑谷くんはそのまま地面に落ち、地に伏せた。
ホッとする余裕もなく、状況が一変する様を呆然と眺めた。
「ごめんよ皆、遅くなったね。直ぐ動ける者をかき集めてきた。」
「１−Ａクラス委員長、飯田天哉。ただいま戻りました…！！」
この場の全員の不安を取り除くため届くようにと
鼓舞するようにと張り上げられた二つの声は私にすら届いたのだ。
きっと他２０名の生徒にもきっと届いたことだろう。
様々な場所から爆炎が上がっている
他の先生たちが応援に来て対処にあたっているはず。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - カナデさん» ありがとうございます。夢主の性格に合わせてなるべく繊細に、熟考した様子を描ける様に心がけているので感想とても嬉しいです。明日(本日)2話あげる予定なので楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年11月10日 1時) (
レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - やった！！更新だ！！！ありがとうございます！！五臓六腑に染み渡る…睡さんの書く話は心理描写が細かくて…あと日本語が綺麗（？）です。これからも応援してます！ (2022年11月8日 14時) (レス) @page43 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - はじめまして。最初から読ませてもらいました！とても楽しくて面白かったと思いました。特に夢主のおっしゃる事や性格、個性、シリアス感がと出ていて読むのが楽しかったです。更新頑張ってください！！応援しています。 (2020年9月14日 1時) (レス) id: b338802f9d (このIDを非表示/違反報告)
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