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イヤイヤ立ち上がったユウちゃん
未だその瞳は女王を睨みつけている
その身の程知らずとも言える態度を近くでエースくんが冷や汗を垂らして窘めていた
「貴様、名は」
「なんで言わなきゃならないんですか」
ヒュッと誰かが息を呑む
もちろん、私も
「私には権利がある。学園を治める一人として、貴様を見極める権利が」
それとも両目をくり抜かれたいか
杖をユウちゃんの顔にグッと押し付ける
彼女の顔は屈辱に歪み、けれど脅しが嘘ではないと漸く気付き渋々口を開いた
「…ユウ」
「どこから来た」
「……日本」
「日本?聞いたこともないな」
疑う総長だが、あっさりとそのニホンとやらは流した
「数多ある世界線ならそういう事もあろう
…それで、その日本とやらから来たお前は何故ここの制服を纏っている」
「……ここの生徒になったから」
「ほう?」
その言葉に総長の視線が学園長に向いたことがベール越しにも伝わった
学園長はもう可哀想なくらい震えている
「なるほど。初の女学生という訳だ」
「はぁ、」
「それで貴様、学費は払っているんだろうな」
「え…」
ピシリと固まるユウちゃん
当然彼女はお金なんて持ち合わせてないから、払ってるはずがない
「ほう、払っていないのか
では今お前の席にある、その料理の数々は何だ」
「こ、れは…」
「奨学生でもない。むしろ魔法士としての将来性も見込めない凡庸な女が、学園の物をタダで食らうとは
……卑しい女狐だ」
「ッ…、私は!」
「もうよい。クロウリー、経緯を話せ」
固唾を呑んで成り行きを見ていた集団がそれを皮切りにざわざわと騒めきだした
その間にも学園長が説明を続ける
「ね、やはり不公平なんですよ」
「ジェイドくん…」
いつの間にか背後に来ていた彼がこっそり耳打ちしてくる
だけど私は何とも言えず、無言を返した
「そうか。大体の経緯は分かった」
「分かったんならいい加減コレ退けてよッ!」
「だがなクロウリー。生徒として迎え入れたお前の考えは理解できん」
苛立つユウちゃんに総長はより杖を押し付けて黙らせる
「別に生徒でなくともよかろう
従業員として学園で働かせればいい」
その言葉には食堂中が目を見張った
「同じ年頃、同じ女子。けれど通いたくとも叶わない子は他にもいる」
…それって、
私は息を呑む
「もう行く」
それだけ残し、女王は凜然とその場を後にするのであった
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くらげ - 待って、、、ロスカゲートじゃない、、、、、すみませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!! (12月3日 10時) (レス) @page50 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - "深淵の君"ってえ!?王子様がくるその日までのロスカゲートちゃん!!??いろんな世界線ある!?やべぇ!!!これからも応援してます!!!! (12月3日 10時) (レス) @page31 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
あ - 天才か 夜中に見て感傷に浸ってる (2023年1月10日 2時) (レス) @page50 id: af6608e558 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - ぷりんせす わんこ見たいです🥺 パスワード教えて欲しいです…作者様の作品が全部良すぎてお気に入りです。 (2022年12月19日 19時) (レス) id: ace6ee2d95 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - ぷりんせすわんこ見たいです...🥺パスワード教えてほしいです...作者様の作品全部が神すぎて..... (2022年12月4日 15時) (レス) @page50 id: b8f7239a75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニノココ | 作成日時:2021年10月12日 15時