#45聞こえなかった言葉 ページ48
ジ「さとみくんかっこよすぎー!」
こ「さとみくんいけめーん!抱いてぇ!」
食事代は、お兄ちゃんがおごってくれることになった。遠井さんところみ出没中。
さ「お前らみたいなやつこっちからお断りだっつーのw」
お兄ちゃんがスマホを確認した。
さ「なーくんたちもう食べ終わったって。スカイツリーの下に集合!ってなーくんがいってる」
こ「あー、歩くのだるいなー。ちょっとA、僕のことお姫様抱っこして連れてってよ」
いや逆じゃない?
と、ジェルくんがころちゃんを持ち上げた。
ジ「ころん照れんなって。俺にして欲しかったんやろ?」
こ「いやちげぇよ!!おろせって!!!」
・・・こんなに暑いのにどうしてそんなに元気なのだろうか。お兄ちゃんは相変わらずわたしの手を握ってくれている。
さ「A、大丈夫か?気分悪くなったりしたらすぐ言えよ?」
食事をしたことで、だいぶ気分の悪さは和らいだ。
「うん、ありがとう」
さ「ん。・・・あと、歩くのきつくなってもすぐ言うこと。お前今ちょっとヒールっぽいやつはいてんだろ」
「・・・うそ、気づいてたの?」
当たり前だろ、とお兄ちゃんが言った。たしかに今、思ったよりもヒールが高くてちょっと苦しくなってきたところだ。
「さすが、お兄ちゃんだね・・・」
びっくりだ。これは兄妹だから、というのももちろんあるし、普段からお兄ちゃんが周りの人によく気を配って生活しているからなんだろう。優しくて大人だ。
さ「当たり前だろー?何年一緒にいると思ってんだよ」
お兄ちゃんが、握っている手に力を込めた。
さ「だ・・・、く・・・し・・・け・・・な」
「え?なんて言ったの?」
お兄ちゃんの唇がかすかに動いて、何か言ったのはわかったけど、雑踏の中にいるせいで聞き取れなかった。
さ「・・・なんもねぇよ。そろそろだから、もうちょっと頑張れ」
そういうとお兄ちゃんは片手で汗を拭った。太陽の光に、お兄ちゃんの髪が透けてキラキラと輝く。わたしへ向けられた笑顔は儚くて、
すごく寂しそうだった。
莉「あ、Aー!こっちこっちーー!!」
ジ「おい莉犬俺たちは?」
こ「僕たちもいるんだけど」
なーくんたちと合流し、いよいよスカイツリーへ。
#46 もれてしまった言葉 さとみside→←#44間に合ってます
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Mona@イキり同盟(プロフ) - 初コメ失礼します!のりさんの小説は、良い意味で暗い感じがシリアスで面白いです!これからも体調に気をつけて更新頑張ってください!(*´ω`*)長文失礼しました!ps'因みにイキってないです(笑) (2020年3月31日 20時) (レス) id: 24e03cbe5d (このIDを非表示/違反報告)
じんじん(プロフ) - 続編おめでとうございます!莉犬くんの活躍楽しみにしてます♪ (2020年3月31日 16時) (レス) id: ddfea8250b (このIDを非表示/違反報告)
れもん - 続編楽しみです!毎話面白く、毎日この小説を読みに来てます! (2020年3月31日 14時) (レス) id: 0d4cdffdc2 (このIDを非表示/違反報告)
*紫月璃優*(プロフ) - 続編おめでとうございます!!続編も頑張ってください、楽しみにしてます!!毎回この作品通知に来てないかなと五分に1回程度は見てしまうほどこの作品愛してます!!w (2020年3月31日 9時) (レス) id: 0df71cded5 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - 毎回楽しみにしています。さとみくんの切なさに涙が出そうです。。 (2020年3月30日 18時) (レス) id: 5916594f72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のり | 作成日時:2020年1月7日 12時