【呪術廻戦】いつかここから連れ出して【五条悟】

一変 ページ29

僕の生活はがらりと変わった。
朝起きて体操して、掃除して勉強して、食事して、筋トレして読書して、４時からは悟と一緒に呪術の鍛練。夜は呪力を自己生成して一定に保つ練習。



特訓が始まって分かったことは２つ。
悟は優しいけど、かなりスパルタだってこと。
それから、思ってた以上に僕は、それはもう本当に貧弱だってこと。



覚悟はしてたけど、いざ始めてみると本当にきつい。筋力も体力も全然無い。
それでも筋トレは毎日やってるうちに少しずつ出来るようになってきた実感がある。

けれど問題は呪術の特訓だった。
まだ呪力を生成したり流したりする感覚が自分では中々掴めないでいる。こんなんじゃ、術式を使いこなすどころじゃない。



悟「Aは自分の感情をもっとハッキリ自覚した方が良いよ。
感情が豊かってことは、それだけ感情からエネルギーを生み出せるってことだからな」



そういうわけで僕は日記を付け始めた。
とはいえ、窓から見た今朝の景色が綺麗だったとか、筋トレの成果が見えたとか、相変わらず僕の行動範囲はこの離れを出ない。
だから続けられるか自信がなかったのだけど、案外これが面白いのだ。

自分でも意識していなかった好き嫌いや、興味の対象に気付けたり……気持ちをちゃんと言葉にすることで、今の自分を見つめ直すことが出来る。(ついでに語彙力や表現力も上がる！)
あとは世話係の人に現代文学作品を何冊か買ってもらい、登場人物に感情移入して読むよう意識したり。



A「って感じで……僕なりに頑張ってはいます……」

悟「いーんじゃね？呪力もふとした時にこう……ブワッて瞬間的に増すようになってきたし」

A「ほんとに？！いつ？！」

悟「いつ、って……あ、こないだ入ってきた虫にビビってた時とか、凄かったよ」

A「全く自覚なかったや……というかあれは思い出したくもない……」



悟が入ってきた時にね、一緒に入ってきたんだよね……確かにあれは負の感情も起こるよ……。



悟「あっそうだ、俺が今度取ってきてあげようか？呪力のコントロールに役立つんじゃね？」

A「それはちょっと……いやかなり嫌だよ？！」



僕の必死さがツボに入ったのか、悟があまりに笑うものだから、連られて僕も笑いだしてしまった。

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