【呪術廻戦】いつかここから連れ出して【五条悟】

期成 ページ30

悟「はー、面白かった……A、出会った時より笑うようになったね」

A「そ、そうかな？……でも、まだまだ僕は駄目なままだよ……呪力の感覚も掴めないし……」

悟「あーまた！そういうこと言うのは禁止って約束したろ。
……Aは何も悪くないんだから、あんまり自分のこと自分で責めたり、卑下したりすんなよ。
いーか、俺の兄弟を悪く言う奴は、俺が許さねえから」

A「……うん、ありがとう、悟」



こういう時の悟は一見怒っているようで、半分は照れ隠しだってことも分かるようになってきた。それがなんだかくすぐったくて思わず笑いが漏れる。
何だよ、とムスッとした表情で悟が聞いてくるけど、教えるつもりはない。



A「あのね、今僕、凄く楽しいんだ。特訓はちょっときつい時もあるし、中々上手くいかないけど……
でも、その全部が新しくて、毎日が鮮やかで、いつも明日が楽しみなんだ」



最終ゴールである家出計画そのものに対しては、まだ心配や不安の方が強い。
でもそのゴールまでの道中に、色んなものを見て触れて成長していけることが、悟がいてくれることが、こんなにも楽しくてワクワクする。



A「明日を楽しみにするって、こんなに素敵なことだったんだね、悟」

悟「……それがずっと続くように、今頑張ってんだろ」



未来のことは分からない。数秒先、一瞬先のことだって、僕らには知る術が無い。それでも明日を楽しみに思うことが出来る。
きっとこんなのを希望って呼ぶんだろう。

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