50話 ページ6
｢だが……悪いがその程度じゃこの契約書は返してやれそうにねぇなァ。｣
｢……えっ？｣
『なんでだよ……』
｢俺はな、今、監督生に脅されてんだよ。契約書の破棄に協力してくれなきゃ、毎日朝まで毛玉と一緒に部屋の前で大騒ぎしてやるってなァ。｣
｢は……？｣
『そ、そんなことで……』
｢お前らにオンボロ寮を取られちまったら俺が寝不足になっちまう。｣
『！？……そういうことか……っ！』
オンボロ寮を担保にとったことが、仇となってしまった…
このままじゃ……アズールが……！
｢アイツらにサバナクローから出ていってもらうためにも、契約書は破棄させてもらうぜ。｣
｢まさか、そんなことで……！？｣
｢悪党として、監督生に1歩負けたな、アズール。｣
｢う、うそだ……やめろ！｣
｢さぁ、平伏しろ。キングス･ロアー｢王者の咆哮｣｣
｢やめろぉおおおおお！！！｣
『アズールっ！！！！』
アズールにサバナクロー寮長のユニーク魔法がかからないように抑えはしたが……
目の前で、契約書は全て砂になってしまった……
｢あ、あああ……ああああ……！！！｣
『アズールっ！しっかりしろ！』
｢僕の、僕の黄金の契約書がっ……！全部塵に……っ！｣
アズールには俺の声は……多分届いていない。
『お前ら……っ！』
｢あ〜〜〜〜っ！！もうやだ〜〜〜〜！｣
『……っ！？』
突然アズールに突き飛ばされる。
｢消えた……コツコツ集めた魔法コレクションが！僕の万能の力がぁ……！｣
『アズール！落ち着け！！！』
｢なんだァ？｣
｢急にキャラが……｣
怒りのせいで自我を失いかけてやがる……っ！
｢ああ、もう全てがパァだ！！なんてことをしてくれたんだ！！！！アレがなくなったら、僕は……僕はまた、グズでノロマなタコに逆戻りじゃないか！！！！｣
『アズール！そんなことない！』
｢そんなのは嫌だ……いやだ、いやだ、いやだ！！｣
『……っ！俺の声が……届かねぇ……っ！』
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雪狐 - 一気読みしてしまいました！とても面白かったです。完結おめでとうございます。 (2020年9月24日 18時) (
レス) id: efc5c7c00a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨鯱 | 作成日時：2020年9月17日 0時
