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看守数人に囲まれ、連れてこられた部屋に入ると
一人の先客が椅子に腰掛けて待っていた。

促されるままスチール製のテーブルを挟んで向かいに座る。



「今朝倒れたそうだね。もう大丈夫かな?」



物腰柔らかそうなオッさんが
馴れ馴れしく俺に話しかけた。


「てめーが所長か」

「君に会えて嬉しいよ」


首を傾げ、笑みを浮かべる。
歳は三十といったところか。


重なったファイルから一枚の紙を取り出し
俺の前に出した。


俺のプロフィール。


あの医者が持っていたヤツと同じだ。


「君、私の話覚えてないでしょう?
だから改めて君とお話ししたくてね」


「俺は何もやってねェ」
「ほらやっぱり全然覚えてない」


所長がわざとらしく困った顔をした。

「君は何の罪も犯してない。
これは君をここに閉じ込めておくための足枷にすぎない。
君は私のコレクションになったんだ」


「コレクション?は?」


「私は個人的に気に入った大罪人を収集するのが趣味でね。
名目上は囚人収容施設なんだが、
ここを作ったのは自分の趣味のためでもあるんだ。
つい最近、君のことを聞いたんだよ」


向けられた熱っぽい眼差しに寒気が走る。
なんだコイツ気持ち悪ィ。

「天下の大罪人、攘夷四天王の一人が江戸にいるってね。
しかも最強と唄われた白夜叉だ。この話を逃す訳には行かないだろう?
だからすぐに手配して連れて来て貰った」


貰った、じゃねーよ。
明らかに誘拐じゃねーか。



「警察が黙ってねーぞ」

「お前は逮捕状を出した警察をまだ味方だと思っているのか?」

「っ……」

「ここは最高の設備で構成された監獄なんだ。
残りの余生を暮らすには悪く無いだろう?」

「テメェ!」

ガタンと立ち上がると、複数の看守に抑えつけられた。


「せいぜい私に大人しく可愛がられてなさい。
君は沢山のスポンサーを呼び込む価値があるんだから
悪いようにはしないよ。あぁそうそう。
君だけじゃなく君のお仲間も
居場所が分かり次第コレクションする予定だから
楽しみにいておいて欲しい」


「冗談じゃねェ!!いい加減にしろ!!」

「話は終わった。連れ出せ。」

「放せっ!」

喚き、暴れるが強い力で拘束され、
部屋の外に押し出されてしまう。


「オイ話はまだっ!!」

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しゃしゃねこ(プロフ) - あーたぁさんだぎぃさん» そういう事だったんですね!教えてくださり、ありがとうございます!更新、頑張って下さい! (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)
あーたぁさんだぎぃ(プロフ) - かのんさん» メッセージありがとうございました!! (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0b40d94bc8 (このIDを非表示/違反報告)
あーたぁさんだぎぃ(プロフ) - かのんさん» 目次の数字は、構想の段階で囚人番号に使用する予定だった数字です。番付方法から結構細かく設定していたんですが、モブの見分けがつかなくなりそうだったので止めました(笑)ゆるりと更新していきますので是非ともお付き合いよろしくお願いします。 (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0b40d94bc8 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 凄い面白くて、読み応えがありますね!!つかぬことをお聞きするのですが、話の目次、0617とかって、どういう意味ですかね?教えてくだされば幸いです。更新頑張ってください! (2017年8月6日 23時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーたぁさんだぎぃ | 作成日時:2017年8月5日 11時

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