【銀魂】鉄格子に誓いのキスを【坂田銀時】

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「いや、所長をぶっ潰すってか、俺はここを出たいだけで……」

机の引き出しを引っ掻き回すAの背後から
遠慮気味に覗き込んだ。

つーか、なんでコイツこんな乗り気なの。

「誰かがここを出るということは
この施設のシステムの完璧さを否定することになる。
運営資金を提供するスポンサーからの信頼を崩すんだよ」

数箱の空箱を机に並べ、その隣に見取り図を広げる。

「私はこの施設のやり方は好きじゃ無い。
所長の悔しがる顔見てみたいなァ」

「そんなに自分の上司嫌いなの？」

「嫌いだ。あわよくば死んで欲しい」

お前は一体何されたんだよ。

「そうそう。そういば君。
先程、VIP待遇と言っていたが、それはどういう意味なんだ？」

ふとAが手を止め、こちらを振り返る。

ヘマして誘拐されて
無実の罪でこんな場所に閉じ込められて、
挙げ句の果てに女を脅してまで脱獄なんて
プライドもくそもあったもんじゃない。

「今までずっと気になってたんだが、
何故君はいつも答えない」

「男には一つや二つ秘密があるんだよ」

「女の間違いだろ」

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