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「顔に全部出てるよ」

「っ!」

「わかりやすいねェ君は」


唐突にAが、俺の横に腕を伸ばす。

思わずつられる俺の視線。


「なるほど、このマニュアルも見たかったのか」


案の定、視線を読まれ頭が真っ白になる。


「やっぱり君は施設の構造をよく見てる。
この前見かけたときは監視カメラ探してたみたいだし。
脱獄でもするつもりなの?」

Aが椅子から降り、俺の背後に回り込んだ。


「君のこと。残念だけど報告させてもらう」

「黙れ」

「わっ」


白衣の襟を力任せに掴み上げると
思ったより軽く、Aの足が宙をぶらついた。


「何すんの、離してよ」


Aの冷静な声に我に返る。


何してるんだ俺は!


苦し紛れにとった行動に激しく後悔する。

「こ、このこと所長に報告するなら…
その……何かすんぞ!するからな!」

今更引き返せない。

「君、本当に凶悪犯?」
Aは抵抗せずにされるがままで眉をひそめられる。

「こんなことしても君が痛い目に合うだけだよ」

「そんなことにはならねェ。俺は所長認定のVIP待遇だからな。
いくら暴れても殺されることはねェ」

そうだ。ひるむな、俺。
俺はこの施設のスポンサーを呼ぶ道具。
用のある限り、何をしようと奴らは手出し出来ない。

「痛い目に遭いたく無かったら俺の言う通りにしろ」

「本気で脱獄するの?頭大丈夫?診てあげようか?」

「俺は本気だ」



ふと腕が軽くなる。


「オイ、何してんだ……?」


代わりに身体を包む
暖かな熱とハーブの香り。

「A?」

戸惑いながら、抱きつく女を受け止めた。



「待ってたよ」


耳をくすぐる囁き声。


「ずっと、そう言ってくれる人。待ってたの」


顔を上げ、俺に向き合う。


「あの所長、2人でぶっ潰そう」

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しゃしゃねこ(プロフ) - あーたぁさんだぎぃさん» そういう事だったんですね!教えてくださり、ありがとうございます!更新、頑張って下さい! (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)
あーたぁさんだぎぃ(プロフ) - かのんさん» メッセージありがとうございました!! (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0b40d94bc8 (このIDを非表示/違反報告)
あーたぁさんだぎぃ(プロフ) - かのんさん» 目次の数字は、構想の段階で囚人番号に使用する予定だった数字です。番付方法から結構細かく設定していたんですが、モブの見分けがつかなくなりそうだったので止めました(笑)ゆるりと更新していきますので是非ともお付き合いよろしくお願いします。 (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0b40d94bc8 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 凄い面白くて、読み応えがありますね!!つかぬことをお聞きするのですが、話の目次、0617とかって、どういう意味ですかね?教えてくだされば幸いです。更新頑張ってください! (2017年8月6日 23時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーたぁさんだぎぃ | 作成日時:2017年8月5日 11時

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