【銀魂】鉄格子に誓いのキスを【坂田銀時】

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昨日と同様、隣の部屋に消えたのを見送り
机上のブックエンドに収まった色とりどりの背表紙に目を走らせる。


奴は今、俺に対して警戒心が全く無いようだ。


囚人を一人部屋に残すなんてあり得ねェ。
ワザとスキを見せているのかとも疑った。

しかし、絶え間なく物音が聞こえていることから
本当に準備をしているのは間違い無い。

鯱の情報で、医務室に監視カメラは無いと聞いた。
どうやら施設は資金難に追われているらしく、
難攻不落と言われる要塞にも
手に負えていない僅かな綻びがあると言う。

そこを突けば……

お目当のファイルはすぐに見つかり
飛びつくように開いた。


三階構成の建物の見取図。



しかし、情報量が多過ぎた。



囚人の部屋まで一つ一つがびっしり書き込まれ、
建物の全体像が上手くつかめない。

無駄に細かい字は読み取るに苦労しそうだ。



こんなのアリかよ……



悔しさに顔を歪めながら
懐から鯱に半分脅すように借りた本を取り出した。

中表紙に大まかに写し取っていく。
せめて各階を繋ぐ場所くらいは知っておきたかった。


隣から湯を注ぐ音が聞こえ始める。

あまり時間が無い。

やっと雑な地図が完成した。
こんなのが役に立つとは思えねーな。


カタカタと食器が触れ合う音。

時間か。

ホッと息をついて最後にパラリとファイルのページをめくった。


「あっ」

次にめくったページに書かれていたのは
膨大な監視カメラの配置図。

ちくしょう、こっちの方こそ見たいヤツじゃねーか。

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