散歩してたら推し拾った【文スト】

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右京A (ｳｷｮｳ ﾅﾏｴ)
20歳
約160cm
好きな物 文スト、甘いもの
苦手な物 虫
趣味 カフェ巡り
推し 芥川龍之介ｻﾝ
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友達と19時半くらいに別れビル街から外れた静かな道を歩いていた。

すれ違う人はみな、私が先程までいた街とは違く

「こんばんは」

や

「暗いから気おつけてねえ」

など暖かい言葉をかけてくれる。

やはり地元の影響か、暖かい声をかけてくれるだけで心が温まる。たまにはここもいいかもしれない。なんて思いながら私も


『こんばんは』 『ありがとうございます』


などの言葉を返した。


しばらく歩いてからのこと

すれ違った犬連れのマダムに


マ「最近ここで挙動不審な人がいるらしくて...お姉ちゃん気おつけなね？なんでも...」

と話を聞かされた。

その中で引っかかった単語が幾つか。

「黒いコート」

「短い前髪」

私の頭には1人の男性の名前しか思いつかない。

"芥川龍之介"

いや前髪短い黒コートは彼以外にもいるのか...？

なんて考えつつマダムと別れ再び歩き出す。
先程に比べあたりは暗く、街灯周辺が唯一見える。

そろそろ家に戻ろうかな、なんて思っていた矢先足を掴まれた。

え、何？幽霊？？！

そう思ったのもつかの間、掴む何かのちからは強くなる。

いっそ振り向いて幽霊(確信なし)をこの目で見てみようか。そう謎決心した私は錆びたように動かぬ首を ｷﾞｷﾞ...
と後ろに向け、閉じていた目を開ける。

するとそこには


『....は、』


「..少々おたずねしたい」


前髪の短い黒コートの、まさに先程のマダムが言っていた男性...

私の推し、 芥川龍之介 がたっていたのだ。

その時気づく。

あ、私の足掴んでるの羅生門だ、と。

その時の私の感情はきっと恐怖より何より喜びで満ち溢れていたと思う。

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