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急にうるさくなった心臓の音、
聞かれちゃいそう。
なんだか、
ドキドキしてる自分を見透かされるのが気恥ずかしくて。
「すっごく楽しかった！
お料理も美味しかったし。
会場も引き出物もオシャレで、
洗練されてて。
渋谷さんて、こういうの、
嫌がる人かと思ってたから、
意外だった」
「せやな。
めっちゃ照れくさそうやったもん。
麻美にねだられたんちゃうかな」
章ちゃんの何気ない一言に、
浮かれてた胸が急にざわってなった。
今までなら、
こんな気持ち、押し隠してたけど・・・
「麻美さんと章ちゃんの結婚式はどんなだったの？」
ついに、聞いてしまった。
章ちゃんの顔は見られない。
床に座り込んで俯いてたら、
章ちゃんが隣に来てくれて・・・
婚約指輪がキラキラしてる、
私の手をそっと包み込んだ。
「結婚式も指輪もいらんて。
麻美が言うから何もしてないねん。
ちょうど会社が軌道に乗り始めて、
めっちゃ忙しいて、余裕なかったし・・・
親がおらん自分は、
結婚式やるん恥ずかしいて。
けど、今日の二人見てたら、
ほんまに幸せそうで。
渋やんのために、
ほんまに惚れた男のために、
初めてのウェディングドレス取っといて良かたなって・・・」
麻美さんは章ちゃんのことも、
本気で愛してたよ。
言おうとしたけど、言えなかった。
章ちゃんに抱きしめられたから・・・
「A、俺のためにウェディングドレス着てな」
「うん。
似合わないかもしれないけど・・・」
「そんなわけないやん。
世界一可愛ええに決まってる。
打掛いうん？
あれも着てえや。
式場の入口のパンフにあったやつ。
あれ、めっちゃ似合うやろうなって思った」
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年9月10日 10時
