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「この子たちが保護されたのは、
１年半ほど前。
まだ３歳の時でした。
アパートの隣の住人さんから
通報があり、確認すると、
昏睡状態の望ちゃんと、
かろうじて意識のある状態の
希君が発見されたんです。
双子の体にはたくさんの傷跡。
そして栄養失調。
育児放棄は一目瞭然でした。」
園長先生から教えてもらった２人について・・・。
生まれた時から心疾患を患っていた望。
２人一緒に生まれ、希が先に退院し・・・。
はじめは望だけだった。
何度も体調を崩し、病院との往復に疲れた母親は、望の世話をしなくなっていった。
それどころか、手まで上げるようにまでなってしまった。
この頃はまだ、希は可愛がってもらえていた。
しかし２歳を過ぎ、希が望を庇うようになった。
母親はそれが面白くなかつたのだろう。
ついに希も・・・。
それからはほぼ毎日。
双子の体に残る沢山の傷がその証拠。
だから２人は大人に怯える。
そう園長先生は教えてくれた。
心の開き方を、人の信じ方を、甘え方を忘れてしまった。
それが今の２人だと。
・
「雅紀、
顔酷い事になってんぞ？」
「・・・ずぴっ
・・・だっ、で・・・。」
園長先生の話が終わり、鼻水を垂らしながら大号泣の雅紀。
雅紀だけじゃない。
智も翔も、和也と潤だって、
みんな目に涙が浮かんでいた。
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作者名：mio
| 作成日時：2018年2月11日 13時
