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病院に付くと、救急の入口の所で翔が待っていた。
「望！！
もう大丈夫だからな・・・。」
翔はそういうと、救急隊員と何やら言葉を交わしながら、望が乗ったストレッチャーと共に処置室に入って行った。
その場に取り残された和也と希。
希は未だ感情が追い付いていない様で、和也の胸元に顔をうずめて、動かなかった。
「希？大丈夫だよ。
翔兄が付いてるから・・・。
大丈夫・・・。」
和也も自分にも言い聞かせるようにそうつぶやいた。
救急外来の廊下は、不気味なほどに静かだった。
「和！！希っ！！」
連絡が入ったのだろう。
暫くして、小児病棟から智と雅紀も現れた。
「智兄・・・雅兄・・・。」
和也も不安だったのだろう。
２人の兄の顔を見たからか、途端に涙目になる。
「ごめんな、直ぐに来れなくて・・・。
望は？まだ中？」
「・・・うん。
ねぇ、大丈夫だよね？
望、口にチューブ入れられてたけど・・・。」
「・・・挿管したのか・・・。
大丈夫。翔が付いてるでしょ？」
和也の言葉に、少し顔色の曇る智と雅紀。
発作で挿管したと言う事は、それなりに酷い状態だと２人は瞬時に判断出来てしまう。
智は和也の腕の中にいた希を引き取る。
「希？分かる？
今ね、望がんばってるから。
大丈夫だからな〜。」
智がそう言いながらあやしてやると
「・・・っ・・・ふぇっ・・・」
今まで我慢していたのか、ようやく泣き出した希。
「よしよし・・・。
大丈夫。のぞむ〜、
お兄ちゃんが付いてるからね〜」
智はそういいながら、希をあやし続けていた。
「和は？大丈夫？」
「そういう雅兄こそ・・・。」
「泣いても良いんだよ？
和だって、弟なんだから。」
雅紀がそう言って和也を抱きしめると、和也も声を抑えて泣くのだった。
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作者名：mio
| 作成日時：2018年2月4日 23時
