玉狛のお姫様はボーダー最強 10 (ページ30)

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〜A〜

家に帰って電気を全部を点けてテレビをつけたまま宿題に取り掛かった

今は夏休みだから徹夜してもいいんだ

明日のために余裕を作っておくのも大事

英語を終わらせたら理科もやろう

お菓子と飲み物を用意してプリントに向かった

理数系は苦手なんだよね

考えて自分で答えを見つけないといけない

その点国語はいい

文章に答えが隠されているのだから

考えたくないのに答えが解ってしまうのは、親が2人とも理数系が得意だったからかな？

考えたくない考えたくない考えたくない

頭の中で思っていながら手は動いて答えを導く

手が止まったのは外からスズメの鳴き声が聞こえてから

集中しすぎて日付けは変わり朝になっていた

用意してたお菓子も飲み物もなくなってる

集中って怖いな

5時か

シャワー浴びて準備して、遊真くんと向かってたらちょうどいい感じかな

･

遊真｢ここが龍星会の家か。デカいな｣

｢みんなで住んでるからね｣

朝の掃除をしてる牧山さんに声をかけると、朝宏さんの部屋まで案内してくれた

牧山｢アサさん。お客人がお見えになってます｣

朝宏｢朝っぱらからうるせーよ！！｣

襖を勢いよく開け怒鳴り散らすのは紛れもなく朝宏さん

｢おはよ｣

しばらく目が合ったあと朝宏さん無言で襖を閉めた

遊真｢怒ってなかったか？｣

｢朝宏さんの朝はいつもこんなんだよ｣

低血圧というのもあり、普段からじゃ想像も出来ないほど裏の顔になる

これを見せたくて朝いちで来たと言っても過言じゃない

数分後で身支度を済ませた朝宏さんは、いつもの朝宏さんだった

朝宏｢本だっけ？入れよ｣

｢帰ってきてそんな時間経ってないのに随分散らかってるね｣

かろうじて人が2人ほど入れるけど、足の踏み場がないほど本で溢れかえってる

朝宏さんは座って寝る人だからこの散らかりようでも気にしない

本が好きというわりには雑に本を動かして座るペースを確保した

朝宏｢ほら。お前ら2人に合いそうな本。薄いけど読み応えあるよ。で、Aは何冊か貸してほしいんだっけ｣