私立バカレア高校〜T.Asada〜《番外編》

５話 ページ6

哲也side



ついにAの余命があと１週間ほどになった。

カトレアの同級生たちがお見舞いに来てくれた。

文)「A……。」

あ)「文恵〜！久しぶり！」

元気なように振る舞うA。

みんな、かける言葉がない。

小)「そーいえばさ、〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜だったよねー！」

あ)「あー、そんなことあったよねぇー。」

小百合が話題を引き出す。そこから、盛り上がってみんなは帰っていった。

あ)「楽しかったね。みんなの顔見るの、最後だよね……。」

ｷﾞｭｯ

あ)「私が死んで好きな人ができたら、私に申し訳ないとか思わずに、結婚してね。その方が夏南のためにもなるから。」

哲)「バカ、お前以外好きになれない。」

夏)「見てー、ママ、ママとパパだよぉー。」

あ)「夏南…。ごめんね。そして」

ﾋﾟｰ ﾋﾟｰ

哲)「Aｯ！Aｯ！」

あ)「 ｱ ﾘ ｶﾞ ﾄ ｳ 」

さいごにAの口が『ありがとう』って動いて見えたのは俺だけだろうか。

哲)「こちらこそ、ありがとう。」

俺は一晩中Aの脱け殻にすがって泣いた。


Fin

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