１４５: デジャヴ ページ45
あのままあそこにいたら泣いてしまいそうだったから、外へ出ることにした。
暖かい空気が澄んでいて、ああ春だなぁ、と実感する。なんの目的もなく、フラフラと歩いた。
「卒業かぁ……」
泉「A？なにフラフラしてんのぉ？」
「泉くん！わあっ、なんだか久し振りだね！」
泉「３日前に会ったでしょ」
笑いながら言う泉くんに駆け寄った。正面に立って、あ、と思う。
「また身長伸びた気が」
泉「なぁに、俺がチビだって？」
「そうじゃないけどw」
慌てて首を振りながら笑った。もう泉くんを見下ろせるくらいには身長が伸びてしまった。
小さい頃は、よく頭を撫でてもらっていたけど…
変わらないものは無いんだなぁ、と変な感じがする。
他愛のない会話をしながら、２人で桜の木の下に座り込んだ。桜はさすがにまだ咲いていなくて、レオくんの瞳の色の葉っぱから、木漏れ日が漏れ出ていた。
「……泉くんも、卒業、しちゃうんだよね」
泉「くまくんには、留年してって言われたけどねぇ」
「ははっ、凛月らしいなぁ」
それは僕だって何度も思った。留年してくれればいいのに、と。
だけど卒業はおめでたいことだ。ちゃんと祝福して、送り出さなくちゃいけない。
また泣きそうになって俯くと、慌ただしい声が聞こえてきた。
「ぅ"ッ」
泉「っなにこれ！」
月「あぁっごめん！でもおれじゃなくて楽譜に怒って！」
「別に怒らないけど…」
泉「王さまぁあぁぁっ……！」
なんか、デジャヴだ…
笑い混じりにため息をついて、顔面に張り付く楽譜を剥がした。
読み易くはない、でもなぜか美しく見える楽譜。美しく見えるのはきっと、ここに記された音楽が美しいからだろう。
泉くんが、「レッスンには来ないのになんでこういう時に現れるんだ」と怒りながらも、レオくんの服になぜか付いた葉っぱを取ってあげている。
僕も散らばりかける楽譜を集め、宙に舞う紙を捕まえた。
「はい、レオくん」
月「あー助かったぁ。ありがとなっ！セナ、A！」
泉「まったく…うわ、擦りむいてる！何してたわけぇ！？」
月「楽譜を追いかけたら転んでなっ」
レオくんは、顔を歪める泉くんを他所に、「霊感が！」と作曲を始める。
手当てする道具を持ってくる、と立ち上がった泉くんに手を振って、レオくんの隣に座り込んだ。
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瑠璃烏(プロフ) - 推しが可愛すぎさん» 感動していただけた事に涙ですっ｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう、頑張ります！ (2019年11月18日 19時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 如月さん» 閲覧頂きありがとうございます！夏目くんとの関係、エピローグにて書いております(^-^) しばしお待ちを！ (2019年11月18日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
如月 - とてもおもしろかったです！自分的には夏目くんとの関係がみたi ��(ﾟoﾟC=(__:次回作も楽しみにしてます！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: 9471f73ad6 (このIDを非表示/違反報告)
推しが可愛すぎ(プロフ) - なんか感動と涙しかありませんでした！(あれ同じ？)好きだったので続きとかまだ見たかったですが次回作がんばってください！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: b43a5c5bee (このIDを非表示/違反報告)
黒影(プロフ) - 12月にもう1回ですか……頑張ってくださいね (2019年10月30日 17時) (レス) id: 18284fa39e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年10月19日 1時
