９: 安心感 ページ9
ゆっくりと開いた棺桶の中を覗く。
「っ…」
覗き込んだ途端に目に入る、白くて綺麗な肌。
不覚にもドキッとした。
日に当たったことがないのかと思わせるような白い肌に、整いすぎている美しい顔。
艶やかな黒髪のせいか、余計に肌が白く見える。
余りにも綺麗すぎる顔は、生きているかすら不安にさせるものだ。
ちょっと心配になって口元に手をかざすと、微かに吐息を感じて安心する。
「兄さん、起きて！レッスンがあるんだよ！」
乙「待て。意識はあるのか？」
「え…」
そういえば、揺らしても反応が無い。
寝てる……んじゃないのだろうか…？
胸がバッと冷たくなり、慌てて揺すりながら呼びかけた。
「零兄さん！兄さん、聞こえてる？ねえ兄さん！」
乙「朔間先輩！」
先生を呼んでくる、とアドニスくんが立ち上がった時、零兄さんがうっすらと目を開いた。
紅い瞳が私を捉え、安堵の溜息が漏れる。
「兄さん！大丈夫なの？」
零「Aとアドニスくん…？どうしたのじゃ、そんなに慌てて…」
「どうしたのじゃないよ！」
乙「何度も呼んでいたが意識が無かった。心配だ…」
「今日のレッスンは無しにする？大丈夫なの！？」
腕を掴んでまくし立てるように言うと、キョトンとした顔でこちらを見つめる。
零「意識がなかった…と？」
「そうだよ！ねえ本当に大丈夫！？」
零「大丈夫じゃ。落ち着くが良いぞ、A。」
優しく抱き寄せられて目元を拭われ、自分が涙を浮かべていたのだと気付く。
兄さんの胸元に顔を埋めて抱きしめた。
息をついて自分を落ち着ける。
零「心配をかけてすまんかったのう。アドニスくんも、ありがとう。」
乙「構わないが…本当に大丈夫なのか？」
零「ああ。前にもあったことじゃて。」
頭を撫でられて、自分が落ち着いていくのが分かる。
暖かくはない体に体重を預け、安心感に浸った。
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瑠璃烏(プロフ) - 十六夜 桜さん» ありがとうございます！もう何と言いますか…インスピレーションが湧かなくて（ ; ; ）何とか書いておりますので、もう少しだけお待ち下さい！ (2020年1月6日 12時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 桜(プロフ) - とても素敵な作品ですね！続きを楽しみに待ってます！零推しには嬉しいですね。(零の小説があまりないので) (2020年1月6日 1時) (レス) id: 12d90357d6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - みーこさん» 長い間の更新停止、すみませんでした！お言葉、恐縮です。頑張らせていただきます！o(｀ω´ ) (2019年11月16日 14時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
みーこ - すごい好きです！更新待ってます！ (2019年11月13日 8時) (レス) id: ad66a60e86 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 紅さん» 閲覧頂きありがとうございます！ご指摘、その通りでございます(>_<)勉強の合間に書いたもので…！痛み入ります、すみません！ (2019年9月16日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年9月4日 9時
