1人は怖い ページ20
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私は、脳裏に焼き付いて離れないあの青白い顔の女の子を思い出す。
暗闇でもはっきり見えたんだ。
目も、口も、鼻も・・・・・・。
ぞくぞくっ。
私は新しい下着に着替え、大浴場に行く前にロビーで借りた浴衣を羽織った。
パジャマでも良かったんだけど、折角なら浴衣着たかったんだ。
私は早く皆に会って安心したいという一心で、急いでエレベーターの前に立ち、ハッとした。
あの不気味な長い廊下を1人で歩くのは嫌だ。
私はしかたなく、ロビーのラウンジのソファに座り、kzの誰かが通りかかるのを待った。
誰かと一緒なら、怖くないはず。
それに大浴場から帰ってきた人は、ロビーを通るはずだし大丈夫だ。きっと。
だが、そんな私の期待を裏切るように、一向に誰も通る気配は無い。
私はふと不安に駆られた。
もしかしたら、もう皆部屋でくつろいでるのかもしれない。
さっきまでロビーで談笑していたお客さんは、いつの間にか減っていき、残るは私1人だけとなった。
だんだん、恐怖で心拍数が上がっていく。
夜の闇に取り残された気分で、どきどきする。
まあ、受付の人がいるから安心・・・と、受付の方を見ると、そこには誰もいないっ!
なんで!?
お願い、誰か来て。
勇気を出して、部屋に戻った方が早いかも。
なんて考えはエレベーターを見て、一瞬で消え去った。
薄暗いエレベーターなんて、絶対乗れないっ!
物音は全くせず、外からの海の波の音でさえ、不気味に感じる。
私は藁にもすがる思いで、ソファに座っていた。
何分経った頃だろう。
私は、目の前の机に突っ伏した。
もう、このままここで寝てしまおうか。
なんて思いを巡らせていると。
「あれ、アーヤ。どうしたの?」
聞きなれた声がして、ハッと顔を上げた。
「翼・・・」
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ふわふわ - 新しい作品楽しみにしてます!^_^ (2020年5月14日 16時) (レス) id: 25ce3e61b4 (このIDを非表示/違反報告)
みーみ - この話完結してなくないですよ。 (2020年4月18日 15時) (レス) id: d089e3229f (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - 続きをお願いします (2020年4月8日 16時) (レス) id: c350fd39bf (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - 訂正してばかりですが、お話面白いので、頑張ってください! (2020年4月1日 10時) (レス) id: ec2bb43d30 (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - 29ページの『ごめんな。』で、「息がかかりほうなほどに、」とありますが、「息がかかりそうなほどに、」ではないでしょうか (2020年4月1日 10時) (レス) id: ec2bb43d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こむぎ。 | 作成日時:2019年1月2日 14時