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31話 ページ31






授業も帰りのホームルームも終わったAは光の速さ目指して炭治郎に見つかる前に帰ろうとしていた。

しかしそんな願望は呆気なく消え去った。



「A」



教室を出た辺りでパシッと誰かに腕を掴まれた。

くるりと振り向くとそこには無一郎が立っていた。



「無一郎君、どうしたの?」



取り敢えず炭治郎でなかったことにAはほっと胸を撫で下ろした。

無一郎はAと会えて嬉しそうに笑っていた。しかしどことなく緊張を含んだ面持ちであった。



「まださ、お願い事聞いて貰ってないから。決めてきたんだ。」

「お願い事…?」

「ほら、玄弥の大会の時の…」

「ああ、炭治郎引き剥がして貰った時の。」



何とか記憶を呼び起こしてなるほど、と呟くA。

無一郎は思い出してくれて良かった…とほっと息をついた。



「それでお願い事って何?」

「うーん、ここじゃあれだからちょっと将棋部の部室来てよ。」

「有一郎君に殺される…」

「今日は僕しかいないから大丈夫だよ。」

「あ、そなの。」



有一郎がいないと知った途端安心しきったような表情になったA。余程有一郎が怖いのだろう。

まあ確かに有一郎のAに向けるブリザード並みに冷たい視線は痛すぎてメンタルが抉られていくけれど。



「じゃあ行こ?」



無一郎に腕を引かれるがまま、Aは将棋部の部室に足を運んだ。

さり気なくAの手を引く無一郎は恥じらいからか顔をほんのり色付けていた。



*しかし!彼女は気づかなかった!

















「お邪魔しまーす。」



無一郎に連れて来られるがまま、将棋部の部室に足を運んだAは飾ってある賞状やらトロフィーやらを眺めていた。

無一郎は適当なところに腰を降ろすよう促す。



「あれ無一郎君の賞状だ。」

「うん。それで隣が兄さんの。」

「え、あれも無一郎君と有一郎君のじゃない?」

「そうだよ。あとあれとそれと…」



流石天才プロ棋士間近とも謳われる時透ツインズ。賞状の数がえげつない。

そう言えばテレビにも出てたね…とAは遠い目をして感動していた。



「あ、それでお願い事ってなあに?
ここまで来ないといけないってことは…え、対局とか私無理よ?瞬殺よ?」

「大丈夫だよ、僕が勝つ未来しか見えないから。」

「天才の言う事って怖い。」



天才って怖い。

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とく(プロフ) - すごくいいお話でした…。涙が出るほど(笑) (7月19日 12時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
えむえいか - 貴方様は、神ですか? (2022年5月20日 16時) (レス) @page5 id: 6c61bb4c69 (このIDを非表示/違反報告)
- 神作……… (2022年5月9日 15時) (レス) @page44 id: af8576bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - たまに………たまに原作を思い出すような描写があって……目から汗が……… (2021年12月5日 7時) (レス) @page50 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
夏鈴 - 炭治郎のシスコン具合がめっちゃ良かったです‼︎無一郎と有一郎がでて来るとか最高すぎます‼︎とっても良い作品ありがとうございますー! (2021年11月21日 22時) (レス) @page50 id: 378955c846 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年6月13日 19時

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