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翔「Aちゃん、」
かけられた声のその先には、言葉が続かなくて
気まずい空気が流れたら
じゃあ、って言ってニノさんがその空気を壊すように歩いてきた。
それだけなら平和だけど
その後ろから翔さんも歩いてきて
私の手からニノさんが財布を取り戻すのを見た後に
空っぽになった私の手を取って
すぐ戻る、って智さんに伝えたら
驚く私とニノさんを気にせずに
そのまま夜風の吹くドアの向こうに出た。
「あっ、あの、翔さん」
翔「…ごめん、手ぇ痛い？」
「あ、いえ……大丈夫です」
ほんの少し緩まる手の強さとは逆に
少しだけ二人の距離が縮まって
私の二の腕に翔さんの肘が当たることもある。
翔「…あの、ひとつだけ確認しても良い？」
「……はい」
ずっと引っ張ってくれてた翔さんがその手を離したのは
雅紀さんの店の少し裏の
ネオンがほとんど届かないところで
辛うじて翔さんの顔が青白く写るだけで
きっと私の顔は真っ黒。
翔「…二宮さんとは、付き合ってたりするの？」
「？…ただ、ご飯食べてただけで。そういうんじゃないです」
翔「……はぁ、良かった」
「……良かった、んですか」
少し嫌みな風に言った私にも全然嫌な顔をしなくて、そうだよって微笑む。
翔「何回でも言えるよ、聞きたい？」
「…え？」
翔「…俺はAちゃんが好きだよ」
……あぁ
これを待ってた筈なのになぁ。
好きな人に好きだって言われるなんて、きっとひとつの恋愛の幸せな区切りで
普通なら
私も好き！って高揚したままの声で言えるだろうけど
何しろこんな状況だから、まだ翔さんには真奈がいるから。
なにも答えない私に
聞いてる？って覗きこむ翔さんの顔が来る。
翔「え、てかここにちゃんと居る？笑」
「……居ます」
翔「んふふ、顔が見えねえ。」
ここにいるんだよね？って私の二の腕を片方ずつ挟んで
端正な顔立ちが近づく。
翔「…この間、キスしちゃってごめんね」
「…」
翔「あれから一週間ずっと考えてたけど、本当に悪いことしたと思ってる」
「いえ、私もなにも言えずに帰っちゃったのは申し訳なかったです」
翔「ふふ、好きな人に謝られたくない」
「……照れます。そんな好き、って言われると」
翔「ふふ、好き」
言わないでって言おうとした私を遮るように
翔さんがそのまま抱き締めた。
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まも(プロフ) - ゆかりさん» ご感想有難うございます！可愛いですよね(*^^*) (2016年6月8日 15時) (
レス) id: 6957800e1c (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 二ノ翔ちゃん大好き愛してる (2016年6月8日 11時) (レス) id: 59f29188ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まも | 作成日時：2016年5月28日 8時
