もしも夢主が死の家の鼠だったら・ゆら様リクエスト ページ36
『……ぐあああーー!負けた!何で、何で!?』
「凪がぼくに勝とうなんて百年早いですね」
私はバンバンと机を叩く。衝撃で七並べに使っていたトランプが舞った。
『態々目隠しまでして、更に並べるのも私がやったのに!』
「見ないでもそれぐらい判ります」
ふふん、と不敵に笑うドスさん。悔しい。
ドスさんはさて、と云うと立ち上がった。唇が弧を描く。
「貴方には、何をしてもらいましょうか?」
『ぐうっ……!』
勝った方が相手の云う事を何でも一回聞く、と云うルール。こんなに対策を練ったのに……!
「一日ぼくの部屋に閉じ込めましょうか……それとも、ぼくの専属給仕にでもさせましょうか?」
『ひ、ひえっ……お、お手柔らかに……!』
じりじりと迫ってくるドスさん。私もじりじりと後退するが、部屋の広さは限りがある。とうとう、背中に壁がついた。
怯える私を愉快そうに見下ろすドスさんは、不意にぱちんと指を鳴らした。
「決めました。ぼくに抱かれ「ちょーっと待ったあ!」……チッ」
何かを云おうとしたドスさんの言葉を遮って叫んだのは、ゴーゴリだった。
『ごっ、ゴーゴリ!グッド!』
「ドス君、今何を云おうとしてた訳?」
私をドスさんから脱出させて、私に抱き着いたゴーゴリはドスさんを見据えて云った。
あれ、私に抱き着くのいらなくない?
「……。何でもいいでしょう、これはぼく達が決めたルールですから。“何でも”、いい言葉です
よね」
ニッコリし乍らドスさんは云った。そしてさり気無く私を見て圧力を掛けるのも忘れない。ひえっ……!
「凪!何でそんなルール決めちゃったの!」
『あああ、だって仕方ないじゃん!今度こそ勝てると思ったんだもの!』
ゴーゴリは呆れたように溜息を吐いた。
「凪なんか地球が消滅して新しいビッグバンが起きて地球と同じような星が出来たとしても勝てっこよ!」
『御免スケールが違い過ぎて全然判んない。でも凄く莫迦にされたって云うのは判るよ、黙れ!』
すっげえ失礼じゃない!?いやマジで!
「……ドス君も!凪が勝てっこないのは君が一番判ってるでしょ!」
「それが何か?」
ゴーゴリは「ああっ、もう!」と苛立たし気に叫んだ。次の瞬間、
『……へ』
「私の凪に、手出しちゃ駄目!」
頬に、未だ湿った感触が残っている。キスされたのだ。ゴーゴリに。
理解した途端、熱が一気に顔に集まった。
『……こんのッ、莫迦あああ!!』
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白夜の世界 - 2次元大好き野郎さん» コメントありがとう御座いますッ!最高でしたか!よかった!何かちょっとリクと違うかなって思ってたんですけど……嬉しいです! (2019年7月7日 20時) (レス) id: d483191461 (このIDを非表示/違反報告)
2次元大好き野郎 - コメント遅れてしまってすいません!まじ最高です! (2019年7月7日 10時) (レス) id: 6de8be71fd (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - オンさん» 応援ありがとう御座います……!更新頑張ります!遅いけど!出来るだけ!遅いけど! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d483191461 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ(プロフ) - 白夜の世界さん» はい!大丈夫です! (2019年7月6日 21時) (レス) id: b4cdd55349 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - わたあめさん» は、はい!難しそうですが、頑張ります!太宰さんと太宰さん(黒の時代)逢わせちゃってもいいですか? (2019年7月6日 21時) (レス) id: d483191461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2019年4月7日 16時