相合傘・サヒア様リクエスト ページ16
「…雨、だね」
『…雨、ですね』
仕事が終わり、ポートマフィアの本社ビルを出た私と太宰さん。その前に立ちはだかるのは、大量の雨粒。
「…凪ちゃん、傘持ってる?」
『持ってると思います?』
「だよねぇ…」と呟き乍ら、ガサゴソと鞄の中を漁る太宰さん。
「あ、あった」
『え、本当ですか?』
「うん、一本だけど。…そうだね、送って行こうか?」
ニヤニヤと笑う太宰さん。…ふ、私が相合傘等で照れると思っているのか!?
「あれー、凪ちゃん顔赤いよー?」
『…気の所為です』
予想以上に距離が近かった。くそう、私は友達から《傘を貸して貰う時に絶対遠慮とかしない奴》と云う異名を受けているのに!
…え?そもそも比べる処が違う、って?
黙れ。
「……凪、太宰」
「織田作?」
『織田作さん!』
織田作さんは傘を差しながら近付いてくる。
「仕事中かい?」
「…まあ、そうだが」
『織田作さん、傘持ってません!?』
食い気味に訊ねる私に、織田作さんは「悪いが、此れ以外持っていない」と答えた。
「…おい凪、此方の方が広い。此方に来い」
『うぉ、』
織田作さんに引っ張られ、織田作さんの傘の中に入る。た、大して変わらない気もするけど…。
「__うふふ、織田作は仕事中なんでしょう?凪ちゃんは私が送っていくから」
「どうせ大した仕事でもない。太宰は家の方向が違うだろう?帰っていいぞ」
何か、二人の間に火花が幻視出来る。気の所為かな…?
『いや、別に私は何方でもいいんですけど』
「じゃあ俺の処にいろ」
「じゃあ私と一緒でもいいよね?」
『取り合えず私を挟んで云い合わないでくれないですかね』
土砂降りなだけに、二人は自分の傘の真ん中の方に体を寄せている。即ち、私の方に近くなっている訳で。
この二人、無駄に顔がいいからさあ!マジで止めてほしいんだよ!
「織田作は凪ちゃんの住んでる処知らないでしょ?私が送っていくから遠慮しなくていいよ」
「否、前に凪から聞いた。だから大丈夫だ。太宰こそ、態々遠回りをしなくてもいいんだぞ?」
『いやだから!』
結局この遣り取りはホテルに着くまで続いた。
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何か最近雨が多いなぁ、って事で思いつきました。
ちなみに次回で黒の時代の番外編終わり。
あ、でも一応は更新します。遂に原作へ突入だ、ひゃっほう!
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白夜の世界 - 2次元大好き野郎さん» コメントありがとう御座いますッ!最高でしたか!よかった!何かちょっとリクと違うかなって思ってたんですけど……嬉しいです! (2019年7月7日 20時) (レス) id: d483191461 (このIDを非表示/違反報告)
2次元大好き野郎 - コメント遅れてしまってすいません!まじ最高です! (2019年7月7日 10時) (レス) id: 6de8be71fd (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - オンさん» 応援ありがとう御座います……!更新頑張ります!遅いけど!出来るだけ!遅いけど! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d483191461 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ(プロフ) - 白夜の世界さん» はい!大丈夫です! (2019年7月6日 21時) (レス) id: b4cdd55349 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - わたあめさん» は、はい!難しそうですが、頑張ります!太宰さんと太宰さん(黒の時代)逢わせちゃってもいいですか? (2019年7月6日 21時) (レス) id: d483191461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2019年4月7日 16時