二百八 報酬 ページ8
お風呂から上がってオロチさんと合流してからエンマ大王さまの元へ向かった。
扉を開けると既に元祖軍が揃っていた。
初日から4日目の倒した黒魔の数、建物の状況、更には私の体力についてまでもが報告された。
状況整理から今後の予定をたてる為に元祖軍一同部屋から追い出された。
私も出ようとしたが呼び止められてしまい、部屋には私とエンマ大王さま2人きりになってしまった。
「遠征はどうだった」
「さっき言っていた通りですが」
もう一度同じ報告をして欲しいという訳でなく、私自身がどうだったのかと聞いたそうだ。
「……何もありません」
エンマ大王さまは疑いの眼差しを私に向けた。
本当に何もなかったか確認されたが私は断固何もなかったと言い張った。
絶対バレそうだと思った私は別の話題を出し、誤魔化すことにした。
「私の力のことですが、やっぱり使い続けると疲れます」
「それはAが自分の力を制御できないからだ。今は力を押さえているだろ。それで反発して制御した以上の力を出すから余計疲れるんだ」
オロチさんに稽古をつけてもらうといいと助言をもらい、今回はもういいと部屋を追い出された。
部屋の外にいたオロチさんはなんとも言えない顔をしていた。
私が何を言いたかったのか汲み取ったのか、オロチさんは少し考えてから首を横に振った。
「長いこと悩まされてきた種の1つだ。理由はどうであれ、受け入れるのは簡単ではないことはAだって良く分かるだろう。裏切った相手をすぐに信じられるか」
信じられないと俯くとオロチさんは私の手をとった。
「真実を知れば、Aのようになれることもあるかも知れない。もしAがあいつを受け入れる意思があるなら私が後ろ押しをしてやる」
「ありがとうございます。私いろいろ考えてみますね。あの方が私にしたことは許せることではないので……」
オロチさんはするりと手を離す。
部屋に戻ろうと踏み出した瞬間、玉座の間の扉が開いた。
振り返るとエンマ大王さまがこちらをじっと見ていた。
エンマ大王さまはちょいちょいと手招きをする。
まさか今の話を聞かれていたのかとドキドキしながら近づいた。
「少ないが報酬だ」
エンマ大王さまはそう言って私に片手ほどの巾着を手渡した。
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剣城京菜(プロフ) - aruya100さん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年2月8日 9時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - いつも見させていただいてます。更新頑張ってください!期待してます! (2019年2月4日 23時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年1月30日 19時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
yuki - 作品楽しませていただいてます。続き頑張って下さい! (2019年1月30日 8時) (レス) id: 01053ecf80 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - 剣城京菜さん» 頑張ります...! (2019年1月23日 19時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年1月21日 21時