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蓮side
海真の様子がおかしい、気がする。
さっきお粥を作るために部屋を出て行った海真の後ろ姿に違和感を感じて、おれは小さく首を傾げた。
「…愁。なんか海真おかしくないか？」
確信は持てなくて、愁に聞いてみる。
愁はひろの頭を撫でていた手を止め、そう？と聞き返してきた。
「なんか、いつもより静かっていうか」
部屋を出る前の海真の様子を思い出す。
愁がお粥を作れるか聞いたとき彼は、「作れる」じゃなくて「作る」と答えていた。
そりゃ海真は別に料理が得意なわけではないから、そんなに変な答えじゃないんだろうけど、でも。
「…？海真が静かなのはいつものことでしょ？むしろうるさい方が心配だよ」
愁は大きな目を瞬かせるだけ。
ひろが熱に浮かされた瞳でおれを見る。
「……かいま、ぐあいわるいのか？」
不安げに揺れるその目から、おそらく生理的であろう涙がこぼれた。
愁が優しくその涙を拭い、ひろに笑いかける。
「大丈夫だよ。てゆーかひろのがよっぽど具合悪いからね？まずは自分の心配して」
……ひろには愁がついてるし、大丈夫だろう。
そう思ったおれは立ち上がり、部屋の扉を開けた。
「おれ海真のこと見てくる。ひろのこと頼んだからな」
愁がおれを見上げてくる。
「そんなに海真心配？」
本当は優しい愁の表情が少し曇ったのを見ておれは、彼を安心させるように笑ってみせた。
「そうだな。海真一人じゃちゃんとお粥できるか心配」
一人より二人でやった方が上手くできるだろ、と言えば、愁がふは、と吹き出す。
「蓮も料理はできないんだから、人のこと言えないでしょ」
病人にまずいの食べさせないでね、という愁の声は背中で聞き流し、おれは早足でキッチンに向かった。
キッチンでは、海真がスマホとにらめっこしている。
一向におれに気付かない彼に、また違和感を感じた。
「海真！どう？」
おれの声にワンテンポ遅れて顔を上げたのは、単にスマホに夢中になっていたからだろうか。
「簡単そうなお粥探してた」
そう言う海真の声は、いつもと何ら変わらない。
気のせいだろうか。でももし本当に体調が悪かったら。
「……海真、体調悪い？」
嫌な予感に思わず直接聞いてみる。
海真はいつもと同じような無表情で、そんなことないけど、と答えた。
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暁☆(プロフ) - ayahanaさん» こちらこそいつも優しいコメントありがとうございます！ おかげでまだまだ続けられそうです (*´ `*) ぜひ今後ともよろしくお願い致します〜！ (2021年2月13日 9時) (
レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
ayahana(プロフ) - 更新ありがとうございます！まだ続けて下さるどころか頻度上がるかもということで凄く嬉しいです、次のお話も楽しみにしています！ (2021年2月13日 0時) (レス) id: a867efffe4 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - ayahanaさん» お待たせして申し訳ありません！こちらこそ読んでくださりありがとうございます〜<(_ _)> (2020年8月20日 7時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
ayahana(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a867efffe4 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年6月23日 20時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2018年6月15日 20時
