敦芥『炭酸』 ページ43
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ただいまイオンにて森永の対象商品3点を買うと、文ストのオリジナルクリアファイルが貰えます。それでさっそく行ってきました。新双黒と双黒の2種類だったのですが、あれを見てBLと直感したので物語を広げてみました。
♀♂
桜の舞うその日は青色の絵の具をそのまま写したような空の色で、そして誰それ構わずに暖かみを与えてくれる陽射しが差している。そんな晴天の日に敦は1つのお菓子の袋を持ち、約束の公園へと早足で歩いていた。
つい先刻、太宰が何やらお菓子の袋を2つ、敦の元へと持ってきた。普段の太宰は、部下に何かくれることなどないのでこれは珍しいと敦は思っていた。が…
「これ、芥川君と一緒に食べなよ」
と言われるや否やその袋を押し付けられてしまったのだ。慌てて顔を上げるも其処に太宰はいなかった。まぁ親切なことに指定場所が書いてあったが。
そんな訳で敦は芥川との待ち合わせ場所に歩いていた。時間に余裕はあるのだが現在芥川と仲良くなりたい敦にとっては早く会いたいものだ。
「あっ…」
不意に声が漏れた。
少し遠く離れたベンチに座る1つの影。桜を後ろに、そして青空と太陽の真下に影はいる。まさに100億の名画のようだと、そんなもの見たことすらないのに敦は思った。
影は正確には真っ黒な人。ただ肌が白くてそれはもう人工的に作り出された人形のようだった。
敦の視線に気づいたのかぱっと席を外してベンチの後ろに回る芥川。要件を思い出した敦は駆け足で芥川の元へ行き事情を話した。
「成る程、太宰さんが…」といつもの太宰信者っぷりを見せた所で、敦は芥川の座っていたベンチに座りお菓子の袋を開けた。
袋を後ろに差し出せばその細い指が器用に1つのラムネを取った。敦も1つとり出し口に入れようとした。
春の風が敦らの頬を撫でていく。そんな暖かくて優しい風に乗るように敦は口走る。
「……僕、お前が好きだよ」
それでも至って冷静に、ゆっくりとラムネを口に放り込んだ。
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スパークリングラムネ…でしたっけ。レモン味系のラムネですよ。
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どろっぷ - 本当に好きです!!!最高すぎます!!! (2021年10月9日 18時) (レス) @page28 id: 33730d6852 (このIDを非表示/違反報告)
雪音永遠 - 最高です。いつも影ながら応援してます!頑張ってください!(なんか上から目線ですみません) (2019年5月13日 19時) (レス) id: 0221d79259 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - シャルさん» ありがとうございます!嬉しいお言葉です…頑張ります! (2017年4月22日 1時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
シャル - 最高すぎて辛いです。はい。もうやばい)^o^( (2017年4月8日 15時) (レス) id: a82ccaf05f (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 藤見日和さん» ありがとうございます!!続編でもよろしくお願いします!! (2017年3月26日 23時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なかゞわとまと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TOMOTO/
作成日時:2017年2月21日 22時