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敦芥『相合い傘』 ページ26





 いつも暖かいコメントをしてくださっている桐宮様が重宝していた物を頂きました。敦芥で『相合い傘』です。

 桐宮様、本当にありがとうございます!


♀♂


 季節は梅雨。ここ最近では雨しか降らない横浜の町だが、出歩く人の数は然程変わらない。

 もちろんポートマフィアも同じこと。どんな状況であろうが、いつもと変わらず殺戮の舞踏会を開く。



「あ、芥川…」



 しかし例外もある。探偵社内では雨の酷い梅雨時期、事務仕事に没頭することが多い為に買い出しに行かされるのは新入社員か太宰であった。


 そして今回、じゃんけんで負けたと言う理由で新入社員、中島敦が買い出しに行っていたのだが…。


 そう、現在敦は結構大変な状況に晒されていた。よもやこれは入社の二次試験か?と思う程に。



 単刀直入に、今敦の目の前には芥川がいる。ずぶ濡れの。


 買い出しが終わった、さぁ帰ろうと探偵社までの帰路を歩く敦だったが、まさかこんな雨の中会ってしまうとは。


 しかし芥川は敦と目があっても何もしようとはしない。敦は「新手の罠か?」とも思ったが、どうも違うらしい。


 ………単に芥川は寒いのだ。

 夏は暑苦しく、冬は寒すぎる外套を羽織る芥川は、見る限り健康ではない。


 敦は如何すればいいか究極に迷ったが、悩んだ末に



「か、傘、入っていいよ」



 と声をかけてしまった。そのせいで口の中はカラカラだし、冷や汗が止まらない。

 ただの変人と思われた?もしかして今ここで僕、死ぬの?

 良からぬ考えが次々と涌き出る。



「………」



 だが、やがて小さくうなずいた芥川の姿を見て、敦はほっとした。


 良かった、首の皮が繋がったと安心した後、こんな思いもついてきた。



 ___芥川、なんか可愛くね?



 いやいやいや、待て。僕は何て事を考えているんだ。何度も殺されかけたんだ、この殺戮舞踏会を開く芥川に。自分勝手な芥川に。


 でも、それはもしかして弱味を見せたくなかったからなんじゃないかって、思ったり…。



 妄想か止まらない敦と、時おり咳を繰り返す芥川。


 お互いがお互いの事を考えていたと気づいて、素直になってまた別の関係が出来るまであと少し。



♀♂


 重宝していた物だと言うのに、なんだか納得がいきません…(汗)


 次もちょっとやらせていただきます。

敦芥『相合い傘』その弐→←続き。



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どろっぷ - 本当に好きです!!!最高すぎます!!! (2021年10月9日 18時) (レス) @page28 id: 33730d6852 (このIDを非表示/違反報告)
雪音永遠 - 最高です。いつも影ながら応援してます!頑張ってください!(なんか上から目線ですみません) (2019年5月13日 19時) (レス) id: 0221d79259 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - シャルさん» ありがとうございます!嬉しいお言葉です…頑張ります! (2017年4月22日 1時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
シャル - 最高すぎて辛いです。はい。もうやばい)^o^( (2017年4月8日 15時) (レス) id: a82ccaf05f (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 藤見日和さん» ありがとうございます!!続編でもよろしくお願いします!! (2017年3月26日 23時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なかゞわとまと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TOMOTO/  
作成日時:2017年2月21日 22時

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