アーニャの姉は超能力者兼怪盗さん！？

23話 ページ27

ロイドマン(魔女いるの！？世界観が全く分からん…！！)


私は2人の邪魔をしないよう端に避ける。


貴「ロイドマン頑張ってね」

ロイドマン「あ、あぁ…」


次の瞬間、何が起こったのか分からないほどのスピードで何かが起こった。

反射的に避けたお父さんの頬には切れ目がはいり血が流れ出した。


貴「えっ、」


愕然とした。

多分…お母さん…ヨルティシアがロイドマンにめちゃくちゃに早い蹴りを入れたんだろう。

怖っわ…


ヨルティシア「アーニャさんをさらおうとする者は許しません…！！」


呂律が回っていない…完璧に酔ってる…。

物凄い剣幕でロイドマンに蹴りを入れたり一方的な攻撃を繰り返している。


ロイドマン「ヨルさんっ！落ち着いてっ！」

ロイドマン(つ…強い！！何故魔女なのに物理攻撃…！！)


ロイドマンがヨルティシアに声をかけるもののスイッチが入ったのか攻撃を止めない。

ロイドマンも勿論私も手が出せないまま居るとロイドマンがやられそうになっていた。


貴「っ！ロイドマンっ…！」


　 パキッ、ゴンッッ


私が叫ぶと同時に何かが折れる音がして、気づくとヨルティシアは思い切り頭を打って眠ってしまっていた。

ヨルティシアの足元を見るとヒールが折れてしまっている。

私は駆け寄りお母さんの顔を覗き見る。


ロイドマン「ヨルさんっ…大丈夫ですか？」

貴「…気持ちよさそーに寝てるよ」

ロイドマン「そうか…ふぅ…」


安堵のため息をついたロイドマン。

私も安堵のため息をつく。


モジャモジャ伯爵「モジャジャジャジャジャジャ！良くぞここまで辿り着いたな！ロイドマン！怪盗A！だがこの私はそう簡単に…ぎゃん！！」


ロイドマンはスタスタとアーニャ姫の元へ歩いていきモジャモジャ伯爵をいとも簡単に倒した。

私はお母さんの側でしゃがみこみ様子を見る。


アーニャ姫(わくわく！)

ロイドマン「た、助けに来たよ。アーニャ姫」


ヒラリと黒いボンドマンのマスクがお父さんの足元に落ちた。

後ろからでもわかるほどに耳が真っ赤だった。


アーニャ姫「！！ ちちぃ〜！！」

ロイドマン「え…？父親設定なの…？？」

貴「マスク外れてるからお父さんってことになってるって思えば？」


クスクスと笑いながら2人を見守る。

親子って、あんな感じなのかな。

私の親がまだ生きてたらこんなことしてくれたのかな。

微笑みながらくだらないことを思ってしまう。

…もう本当の親は居ないんだから

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