アーニャの姉は超能力者兼怪盗さん！？

22話 ページ26

…行き着いた、のはいいんだけど。



ロイドマンは最後ステージまでまだ距離が十分にあるのに手袋を金属ロープから外してしまい私達2人は今空中にいます。


ピンチの時ってスローモーションに見えるって本当なのかもしれない。


ロイドマンの横顔がはっきり見える。


すると次の瞬間にはレンガの床が見えた。


多分、ロイドマンは最後ステージの床に受身をとって床に着地したのだろう。

その証拠に私が見た景色は床と星空がグルグル回って見えたのだから。

それに私は無意識のうちに頭だけは守ろうと頭を内側にしていたから。

お父さんにゆっくり下ろしてもらいモジャモジャ伯爵たちの前に立つ。

後ろからは最後に火がボウッと吹き上がり少しびくついてしまった。


アーニャ姫「わぁ！」

モジャモジャ伯爵「モジャジャジャジャジャ！よく来たな！ロイドマン！怪盗A！姫は渡さん！！」

アーニャ姫「たすけてー！ロイドマーン！かいとうAー！」


ロイド、貴「！」


後ろには先程ボールを乱射していた黒服の人達がズラっとステージを囲むようにして立っていた。


ロイドマン「っ！！///」

ロイドマン(全諜報員の前でこんな恥ずかしい小芝居をしろというのか！！)

貴(お父さん顔真っ赤…)


面白いなー、なんて思いながらも笑わないよう堪えながらお父さんを見上げる。


ロイドマン(だがしかし！任務のため！！)

ロイドマン「ひ、姫を返してもらおう(棒)」

貴「アーニャ姫を頂戴しに参りました。」


お父さんが棒読みだったのはもちろん気づいたが無視して私も一応格好だけ怪盗らしくしておくためにクイーンが言ったことのあるセリフを言っておく。

もちろん、微笑んで。


黒服の人達「おおぉっ…！！」

黒服「黄昏さんの生演技が見られるなんて…！！」

黒服「あのお嬢ちゃんもなかなかだ！本当に9歳なのか疑うな！」

ロイドマン「くっ…」


ロイドマンは何やら屈辱なのか顔を顰めている。


モジャモジャ伯爵「クーックックックッ」

アーニャ姫「おおぉぉ！」

モジャモジャ伯爵「バカめ。大人しく返すとでも！？

　 パチンッ


モジャモジャ伯爵が指を鳴らす。

ロイドマン、貴「！？」


モジャモジャ伯爵「さぁゆけ！最強の魔女ヨルティシア！！あの男を八つ裂きにするのだ！！もちろんAちゃんは可哀想だから攻撃するんじゃないぞ！！」


貴「や、優しい…」

23話→←21話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す