35話 ページ35
「ここか。」
「ここだね。」
午後になり私と伊黒君は不死川君のクラスに足を運んだ。
伊黒君は始終「仕方がないな仕方がないな」という言葉を呪文のように唱えていた。お経みたいだなって思ってた。
「それにしてもだいぶ作り込んでるね…外装の雰囲気すごい。」
「なんだ、お前はホラー駄目なのか?」
「ううん全然大丈夫。」
そして不死川君のクラスのお化け屋敷の入り口を写真に収めた。ちゃんと来た証拠確保。
「今ならすぐ入れそうだし入っちゃおっか。」
「…ああ。」
あれ、伊黒君なんだかあんまり乗り気じゃなさそう。
…もしかして…。
「……伊黒君はこーゆーの、苦手だったりする…?」
伊黒君はあからさまに私から視線を逸らした。
…………あ、これは…(察し)
「…私一人で行ってくるよ。」
「何を言っているんだ。ここまで来て入らないわけには行かないだろう。それに俺は決してホラーが苦手だとかそういうのではない。そんな非現実的で非科学的な存在を信じているわけないだろう。そんなもの信じるほど俺は落ちぶれてもいないからな。変な誤解をするなよ。行くぞ。」
…マスクしてるからわかりにくいけど目だけでわかる。すごく嫌そうな顔してる。
別に大丈夫だと言い聞かせたのだけれど意地でも入ると聞かない伊黒君。
仕方がないので私が先陣を切って中に入ることになった。なんかごめんね、伊黒君。
.
「怖かったら私に捕まっても良いよ。」
「…………ふざけるな。」
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aya(プロフ) - ラストに向けた展開に心揺さぶられました! (2021年6月8日 2時) (レス) id: 72cb3c8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーど - ヤバっ!トリハダたちました…! (2021年5月16日 13時) (レス) id: 328ef4fff0 (このIDを非表示/違反報告)
巴 - 学園祭のお話がすごーく良かったです!高校時代に戻りたくなっちゃった。茶道部だったから不死川さんにお茶点てて差し 上げたいわ〜。 (2021年3月14日 0時) (レス) id: 7c1fbdaf37 (このIDを非表示/違反報告)
くれ - めっちゃ面白いです (2021年1月2日 17時) (レス) id: f26c98ad88 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の水道水(プロフ) - いやなんかw主人公の実況が好きすぎてw (2020年11月18日 7時) (レス) id: 44bf365a1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月11日 23時