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34話 ページ34

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「みんな焼けるだけ焼いちゃってー!」

「はーい!」



そして我が校の文化祭当日。
開始早々死ぬほど働かされています。



小学生の頃から家事をよくやっていた私の包丁さばきはクラスの中でずば抜けていた。

だから私は現在進行形で、野菜共の皮という名の衣服を破き死ぬほど切り刻んでいる。


もう30分くらいぶっ通しで作業してるから流石に腕が痛い。



「A、そろそろ休憩したら?ずっと作業してるでしょ?私代わるよ。」



狂ったように野菜と戯れている私を心配した友人がそう声を掛けてくれた。



「ありがとう。じゃあお願いしようかな…。」



切っていたキャベツの最後の一切れを切り終えたところで一旦手を止めて包丁から手を離した。

はぁー、疲れた。



「A、休憩か?」

「あ、伊黒君。うん、やっと包丁と野菜の呪いから解放された。」



手をブラブラとさせて筋肉をほぐす私を、焼きそばを両手に持った伊黒君が気にかけてくださった。

伊黒君から気にかけられるのやっぱ違和感があるなぁ…(遠い目)



「ふん…まあ休んだら良いじゃないか。ぶっ通しで野菜を切り刻んでいたら体力のないお前はすぐに疲れるだろうしな。体力のないお前は仕方がないからゆっくり休んでいれば良い。」



訳 : ゆっくり休んでろってことで良いんだよね?私そう解釈するけどOKだよね?

きっとOKだな!(自己完結)



「あ、伊黒君って午後から他のクラス回れる人だよね?」

「ああ。」

「一緒に不死川君の演し物見に行かない?」



行くと言ってしまった手前、不死川君のクラスに行かないという選択肢は私の中には残されていない。

そして一人で行くのは若干怖いんです。
要は道連れが欲しいのです。(最低)



まあ伊黒君が首を縦に振ってくれるわけないよなぁ…と思いやっぱなんでもない、と言おうと思い口を開いた時。








「…………仕方がないな。本当に仕方がないな。別にお前の為じゃない。たまたま気分が良かっただけだからな。誤解するなよ。お前と一緒に回りたいだなんて気持ちは1ミリもないからな。本当に仕方がないからついて行ってやろう。」



…まじですか。


そして思いのほか伊黒君がノリノリなように見えるのは私の気の所為だろうか。

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aya(プロフ) - ラストに向けた展開に心揺さぶられました! (2021年6月8日 2時) (レス) id: 72cb3c8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーど - ヤバっ!トリハダたちました…! (2021年5月16日 13時) (レス) id: 328ef4fff0 (このIDを非表示/違反報告)
- 学園祭のお話がすごーく良かったです!高校時代に戻りたくなっちゃった。茶道部だったから不死川さんにお茶点てて差し 上げたいわ〜。 (2021年3月14日 0時) (レス) id: 7c1fbdaf37 (このIDを非表示/違反報告)
くれ - めっちゃ面白いです (2021年1月2日 17時) (レス) id: f26c98ad88 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の水道水(プロフ) - いやなんかw主人公の実況が好きすぎてw (2020年11月18日 7時) (レス) id: 44bf365a1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月11日 23時

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