第113話 ふんわり漂うのは ページ20
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「いた…っ」
医務室。始業のチャイムの音も鳴った後ー。
消毒くさい部屋の中で、私は佑亮くんに傷の手当てをしてもらっている。
原則、医務室には先生がいない。執事が応急処置を行うから。ー今はいないけど。
「ご、ごめんね…」
そう言いながら、大きな目で私を上目遣いで見る佑亮くん。
私は殴られた所を保冷剤で冷やしながら、佑亮くんに一瞬だけ目を向けた。
「…なんで、旧焼却炉にいたの？」
そう聞いた私に、佑亮くんは消毒液を染み込ませた脱脂綿をぽんぽんと優しく叩きながら答えた。
「あのね…自分の教室に戻ろうとしたらね、知らない生徒たちが教科書持って教室を出るのが見えたんだ。
なんで誰もいない自分たちの教室に入ったんだろう？って不思議に思ってたの。
そしたらね…Aくんの机の上にあった教科書が無くなってて。
もしかして…と思って、その人たちの後を着いて行ったら旧焼却炉で…。
多分ここに捨てたんだろうなーと思って、探してたの」
そう言い終えると、佑亮くんは私に目を瞑るように促す。私は、佑亮くんの言う通りに目を瞑った。
「…なんで、こうなっちゃったんだろう…」
小さく呟かれた佑亮くんの声。
「まあ…いいよ。そこまで気にしてないし。教科書汚されたのは、さすがにちょっと堪えたけど」
私は笑い声を上げながら、すっかり慣れた消毒液の香りを楽しんでいた。
その時、消毒液と混ざって違う香りがすぐ近くで漂う。何だろうと疑問に思ってると、ふわっと唇に優しい何かが触れた。
絆創膏かな？と思いながら目を開ければ、顔を赤らめて驚いている佑亮くんと視線が絡む。
「あっ…ちが…。ごっ、ごめん…気持ち悪い、よね…」
そう言いながら、佑亮くんは顔を隠すように口元を手で覆いながら医務室を出た。
対する私は、呆然。
「(えっ…今まさか…、キス、された…！？)」
事態が飲み込めず、今度は違う意味で顔が熱くなった。
第114話 顔と心に残る傷跡→←第112話 救世主と殴られ損
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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ！ご指摘ありがとうございます(；´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります！よろしくお願いします！d(￣ ￣) (2018年12月23日 1時) (
レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます！126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています！ (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます･:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ！よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ！ (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SORA | 作者ホームページ：https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時：2018年5月29日 19時
